イケメン王子登場! ベン・バーンズにインタビュー 『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』 [2008年05月22日(木)]
こちらがカスピアン王子役のベン・バーンズ。顔立ち全部整ってますが、特に笑ったときの口元、白い歯がすばらしくキレイ☆
昨日から公開の『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』。タイトルにもあるとおり、本作の見どころは、ずばり「カスピアン王子」。今日はカスピアン王子役で現在大注目のベン・バーンズのインタビューをご紹介します。
イギリス出身のベン・バーンズは、これまでは主に舞台俳優としての活躍が中心。昨年公開された映画『スターダスト』に出演していたということですが、映画で大役を演じるのはこれが初。
今回の来日では2日間で200本近くという驚異的な取材スケジュールを抱えながら、終始さわやかな笑顔で答えてくれました♪ さすが、王子!
★今回、主役に決まったときの感想は?
決まったという連絡が来たのが深夜3時ごろ。もう嬉しくて、叫びながら家中を走り回ったね(笑)。『ナルニア国物語』の原作本は、8歳のころから大好きだったから、自分が魔法の世界を創る一部となって、次世代の若い人たちのために作品を提供できるということには特別な思いがあります。
★カスピアン王子を演じるうえで気をつけたことは?
いわゆる典型的なハリウッドの王子像を演じたくはなかった。カスピアン王子は、不安を抱えているところに特徴があるからね。自分はまだ指導者になる準備ができていないし、その責任も持ちたくない。自分は王にはふさわしくない、と考えているところが、この役を面白くしているんだと思う。だから、たまに間違いも犯すし。リアルな青年、というところが、従来の王子様と違うところだと思うんだ。
★カスピアン王子との自分自身との共通点を挙げると
カスピアン王子がたどる変遷は、僕自身と共通する部分があると思う。映画の冒頭で、王子は自分に起きた状況に対して非常に驚き、恐がっているところがあるんだけど、僕自身も最初にこの役が決まったときは非常に驚いて緊張していたからね。作品の最後のところでも王子は、まだ与えられた役を務める準備が自分にはできていない、と言うけれど、僕自身も、映画がきっかけでここまで注目されているという状況に対して、完全には準備ができていないと思うので、そんなところも共通しているんじゃないかな。
★カスピアン王子が心惹かれた女性は、か弱いお姫さまではなく勇敢なタイプでしたが、実際には賢くて勇敢な女の子をどう思う?
女性が自立して社会的にも勇敢であることは大切だと思う。とはいってもときには自分がリードするような立場もいいなと思うので……。男としてはどちらの部分も持っていたいかな。
★取材をしていても気品を感じますが……、王子らしく演じるために普段から心がけたことはありましたか?
僕に気品がある? 紅茶を飲んでるからじゃない(笑)?〈取材中、紅茶を飲んでいたので〉
いや、自分としては特に何もすることはなかったんです。すばらしい馬にも乗せてもらったし、剣術も習い、鎧や武器もすばらしいものを与えられて、髪もエクステをして、日焼けをして、スペイン語なまりの方言も教えられて……。すべて周囲が状況を整えてくれたので、自分は現場に入ってセリフを言うだけ。本当にそれだけでした。
★日本の印象はどうですか?
東京しか知らないけれど、みなさんの姿勢や態度が礼儀正しくて、お互いに敬意を表しているように感じます。前回来日したときに、神社でヒット祈願をしたんですが、時間があれば伝統的なものをもっと見てみたい。ニューヨークのように近代的でモダンなところもありながら、街中で着物の女性を見かけたりすることも面白い。
★今回滞在中に行きたいところは?
残念ながら今回は2日間の滞在で200本くらいの取材があって、ジャパンプレミアもあるから、無理かな。また次回絶対来ます。
★この作品の見どころと次回作への意気込みを
見どころは、作品中盤の夜襲のシーン。アクションがたっぷりでスリルがあるし、それぞれのキャラクターの感情の動きも見どころだと思います。あとは、ミラース王(セルジオ・カステリット)のシーンがどれもいいですね。
本作の終わりでは、カスピアンはまだ王になる準備ができていないと言うけれど、次回作では王という立場をどう受け止めて、どう成長するのか。同じ役を続けて演じた経験もないから、そういう意味でも楽しみです。
☆------☆------☆------☆------
本人も語っていましたが、「王子の弱さ」はたしかにこの作品の魅力。ペベンシー四兄妹と王子との関係がちょっとぎこちなかったりするし、途中でも「王子、しっかり!」と言いたくなるようなシーンがいくつもあったりして、王子にうっとりする、というよりは応援しなきゃという気にさせられるんです。で、このフェイスですからね。王子を見守る目線で観ても面白いと思います。
がんばれ、カスピアン王子!
『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』
監督:アンドリュー・アダムソン
出演:ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ベン・バーンズ
全国公開中
(c)Disney Enterprises, Inc. and Walden Media LLC. All Rights Reserved.
THE CHRONICLES OF NARNIA, NARNIA, and all book titles, characters and locales original thereto are trademarks of C.S. Lewis Pte Ltd. and are used with permission.
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イーサン・ホークの自伝的小説がベース 『痛いほどきみが好きなのに』 [2008年05月16日(金)]
ドキドキするラブストーリーって、世の中にたくさんあると思うのですが、イーサン・ホークとジュリー・デルピーが共演した『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離<ディスタンス>』と、その続編の『ビフォア・サンセット』は、格別のドキドキ感でした。恋する2人の距離感や会話が本当にリアルなんですよねー。
1作目では、列車の中で出会った若い2人が、途中下車してウィーンの街をさまよい歩きながら夜明けまで一緒に過ごした14時間を描いたストーリー。で、彼らの9年後の再会を、同じキャストで9年後に発表したのが続編の『ビフォア・サンセット』。
前作も短い時間を凝縮した内容でしたが、続編は映画の85分間が2人が会っていた85分間という設定なので、観ているほうはまさにリアルタイムで2人の恋の行方を観続けるというわけ。お互いの本当の気持ちを探りあう会話も秀逸。イーサン・ホークとジュリー・デルピーが、9年後にいい感じに年を重ねているところがまた素敵でした。
と、前置きが長くなりましたが、今月、イーサン・ホークとジュリー・デルピーがそれぞれ監督、出演している映画が公開されます。2人の作品自体は「ビフォア」シリーズと関連があるわけではありませんが、こちらもまた、リアルでドキドキするラブストーリーです。
今日ご紹介するのはイーサン・ホークの『痛いほどきみが好きなのに』。
若手俳優のウィリアムが行きつけのバーで歌手を目指すサラと出会う。2人は意気投合するけれど、その関係にはちょっと温度差が。運命の恋と信じて、サラとの恋愛が人生の全てになっているウィリアムに対して「セックスしたら、もっと好きになりそうだから怖い」と拒んでみたり「私には私だけの時間も必要」と、歌を優先させてみたり。そんなサラも2人きりのメキシコ旅行では急に情熱的になったりする。2人の恋はどうなる? というストーリー。
恋愛って、どちらか一方の気持ちが強すぎると途端に相手の気持ちが冷めたりするもの。それがわかっていても、気持ちを抑えるのって難しいし、いったいどう接したらいいの?とモンモンとする青年の話。あまりに正面からぶつかっていくウィリアムがつれなくされるのは、観ていてしのびない。これが包容力のあるうんと年上の女性が相手だったりすると、もうちょっとうまく行くだろうに。あ、でも『人のセックスを笑うな』の恋もやっぱり最後は切なかった気が……。こういう若いときのイタい恋愛経験って、誰もが通る道なのかもしれません。
この映画、デートで観るにはちょっとリアルすぎて、ちょっと反応に困りそう。女友だちと観るのがおすすめです。ひとしきり過去の恋バナで盛り上がれるはず。
来週末公開、ジュリー・デルピーの『パリ、恋人たちの2日間』についてはあらためてご紹介します。こちらはぐっとオトナの恋。でも、やっぱり甘くはないようです。
『痛いほどきみが好きなのに』
監督・脚本・原作・出演:イーサン・ホーク
出演:マーク・ウェバー、カタリーナ・サンディ・モレノ
5月17日より新宿武蔵野館ほかにて全国ロードショー
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オンナ友達と
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監督インタビューもあり! 『マンデラの名もなき看守』 [2008年05月14日(水)]
今週末公開の『マンデラの名もなき看守』。27年にもわたる囚われの生活の後、南アフリカ共和国の初代大統領になったネルソン・マンデラと、彼を担当した看守との秘められた心の交流を描いた、実話を基にした作品です。
1968年、アパルトヘイト政策下の南アフリカで刑務所の看守として働くジェームズ・グレゴリーは、反政府運動の活動家が多く投獄されたロベン島に赴任、黒人の言葉・コーサ語がわかることを理由に、当時最悪のテロリストとされるネルソン・マンデラ担当に抜擢される。グレゴリーの使命は、マンデラの会話をスパイして上層部に伝えること。ところが、マンデラと接するうちに、グレゴリーの中には新しい考え方が生まれ始める。
アパルトヘイト政策のことも、ネルソン・マンデラのことも、教科書的なレベルでは知っていたつもり。ても、いろんな発見のある映画です。
たとえば、当時の南アの白人たちが、極端な政策にどうして素直に従ったのか。アパルトヘイト政策を徹底するために、多くの情報が操作されていたことが描かれています。マンデラが「すべての人たちが平等に生きる社会をめざすこと」を記した「自由憲章」が禁制品として白人たちの目には触れないようにされていたり、白人と黒人を分けるのは神の意志だと教えられていたり。黙って従った白人たちに罪がない、とはいえないけれど、情報操作された社会って恐ろしい。うーん、すごく考えさせられました。
デンマーク出身のビレ・アウグスト監督は、70年代80年代に世界でマンデラ解放キャンペーンが起こったころから彼に興味があったのだそう。インタビューで映画を撮ることになったきっかけについてうかがいました。
ビレ・アウグスト監督は『ペレ』で、19世紀の北欧に暮らす貧しい親子の厳しい現実を描いてます。こちらも、マンデラとは違った意味で、涙……。
「1990年、27年ぶりに解放されたとき、マンデラはそのままケープタウンのタウンスクエアでスピーチをした。その内容が、白人たちを許そう、尊重しあおう、仲直りしよう、というもので、それをテレビで観て、ものすごい人物だと思っていた」ということもあって、今回の脚本に出合って、すぐに映画を撮ることを決意したのだそう。
撮影にあたって、マンデラ本人に長い手紙を書いたという監督。「もともとマンデラは、言論の自由を大事にしていて民主主義の大きな部分を占めると考える人だったので、撮影の許可というよりは、自分の思いを伝える手紙を書いた」のだそう。「返事は期待していなかったのですが、彼の弁護士から連絡があって、OKだと。マンデラは『なるべく現実を尊重してください』と言っていると」。それが、この映画がマンデラ本人が初めて許可した映画だとされる理由。完成した作品のDVDを送ったところ、マンデラの娘から「家族が感謝しています」という手紙が送られてきたそうです。
マンデラとグレゴリーの交流を、じっくり観せる作品。実話を基にしている話ということもあるので、ドキドキワクワクという展開はないのですが、マンデラの偉大さと「人はいつでも変われる」というあたたかいメッセージが感じられます。
『マンデラの名もなき看守』
監督:ビレ・アウグスト
出演:ジョセフ・ファインズ デニス・ヘイスバート ダイアン・クルーガー
5月17日よりシネカノン有楽町1丁目、渋谷シネマGAGA!ほか全国にて順次公開
(C) ARSAM INTERNATIONAL, CHOCHANA BANANA FILMS, X–FILME CREATIVE POOL, FONEMA, FUTURE FILM FILM AFRIKA
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ショートフィルムですが……。 『村田 朋泰展 夢がしゃがんでいる』 [2008年05月13日(火)]
今日ご紹介するのは、映画といってもショートフィルム。平塚市美術館の『村田 朋泰展 夢がしゃがんでいる』の展示の一部です。
スクーターに乗っているのが、「路シリーズ」の主人公
村田朋泰さんは、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した「睡蓮の人」や、ミスチルの「HERO」のプロモーションビデオで、存在を知るようになってからずーっと気になっている方。手作りの人形やセットを使った立体アニメーションの世界がすごく味わい深いんです。
人形たちは、笑ったり泣いたりと表情を変えることはないんですけど、画面からは感情が伝わってくる。特に、「路シリーズ」という作品に共通している主人公のピアニストは、過去に大切な人やものをなくしているという設定で、どこか淋しげ。「朱の路」「藍の路」はそれぞれ10分くらいですが、何度観てもジーンとしてしまいます。今回は新作「檸檬の路」も上映されました。
かと思えば、平面アニメの作品では「さむらいイカ」とか「さかだちくん」といった能天気なキャラクターもたくさんでてきて、不思議オモシロワールド、といった世界も。こちらはレトロで昭和っぽい雰囲気です。
今回の展覧会は、会場全体が「夢の観光地 三ノ函半島一泊ツアー」という架空のツアーに参加しながら作品を観ていくように構成されています。村田さんの新作、旧作を集めた映像作品は1階のホール「三ノ函映画館」で観られました。どうやら1階の映像作品だけは無料で観られるようで、これは近所なら通ってしまうなー。都内からはちょっと遠いですけど、週末のドライブがてらとか。どうでしょう?
平塚市美術館で25日まで。
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ジャック・ニコルソン14年ぶりの来日記者会見も。 『最高の人生の見つけ方』 [2008年05月09日(金)]
明日から公開の『最高の人生の見つけ方』。余命半年を宣告された自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と、実業家として大成功をおさめたエドワード(ジャック・ニコルソン)が、入院先の病院で偶然隣合わせになって意気投合。人生でやり残したことを書き出して「バケットリスト(棺おけリスト)」を作り、ひとつずつ実行していくというストーリー。人生の終わりが見えたとき、自分には何が残るのか、といったことを考えさせてくれる感動作です。
監督は、かつて『スタンド・バイ・ミー』で少年たちの友情と冒険の旅をみずみずしく描いたロブ・ライナー。そんな彼が今回描いたのは、死を目前にした老人の「友情と冒険」。
余命わずかな老人の冒険と聞くと、「死」に向かう旅のようで悲壮感漂いそうですが、かえって2人は生き生きしてくるし、残された時間が限られているというのに、長年連れ添った妻の説得を振り切って知り合ったばかりの仲間と過ごすという選択も、ある意味前向き。スカイダイビングやカーレースに興じる2人を観ていると本当に楽しそうで、ベッドの上で死を待つよりずっと良かっただろうなあと思えます。
カラッと笑えるシーンが満載ですが、その中に、自分の人生に対するギモンや家族に対する複雑な思いも見え隠れする。最後にはやっぱりジーンとさせられました。
そして何といっても主演の2人がいい。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという、存在感たっぷりの演技を観るだけでも価値のある作品です。
さて、もう1週間ほど経つのですが、ジャック・ニコルソンがこの作品のPRで来日。その記者会見の模様はといいますと……。
初来日は東京オリンピックの年だそう。さすがのカンロクです。
まず質疑応答の最初のほうで「どうせ聞かれるから、自分から言うけど」と前置きして、もし自分が「バケットリスト」を書くとしたら何を書くか、の答えについて語りはじめました。「作ったことはないけど、私にとってのリストは、シャツをクリーニングに持っていくこととかそういうものだね(笑)。でも、この質問について、ロブ・ライナーが気に入った答えは『私の年代の誰もが考えることだと思うけど、大きなロマンスをもう一度体験したい』で、これはぜひリストに載せたいね」と。
ほかにも「女性は好きだし、女性にもまあまあ好かれるからね」「最も印象的なキスは…
“So many”。いろいろ経験してきたから、数で勝負だね」と、余裕の発言もいろいろ出ていましたが、どの質問にも意外なくらい丁寧に答える姿が印象的でした。
『最高の人生の見つけ方』
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
5月10日より丸の内ピカデリー2ほか全国ロードショー
(c)2007 Warner Bros.Ent.
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ところで。
ずいぶん前にご紹介した映画『つぐない』の原作、イアン・マキューアンの『贖罪』を今さらながら読みましたが、すっっごくよかったので、書いてしまいます。
私は映画→小説の順ですが、映画のシーンを思い浮かべながら、さらにディテールを読むことができたので大満足でした。これは逆に小説→映画にした場合も、小説の世界観をまったく崩すことなくキャストもカンペキなので、感動できるはず。
まだ上映しているようですので、ぜひ小説とあわせておススメします!
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未公開作品を公開へと変えられるかも!? 「イタリア映画祭2008」 [2008年05月01日(木)]
今日は、「イタリア映画祭2008」のオープニングに行ってきました。
毎年GW恒例の映画祭で、今年で8年目。2006年以降に製作された新作11本と、プレミア上映としてフェリーニの『8 1/2』が上映されます。
ほとんどの作品は、この映画祭のみの上映ですが、評判が良かった作品はそれがきっかけとなって、後に日本での公開が決まるというケースもあるようです。過去の例では『輝ける青春』『家の鍵』『イタリア式、恋愛マニュアル』など。そういう意味では、未公開作品を公開へと変えるきっかけを作れる場、とも言えるかも。
何年か前に『輝ける青春』を映画館で観て大感動して、もし未公開のままだったら、この映画に出会うこともなかったんだ、としみじみ思ったことがあるので、個人的にもこの映画祭には肩入れしたくなるんですよね。(『輝ける青春』は、長いけどホントにいい映画。機会があればぜひ!)
さて、今日の開会式ではイタリア文化会館館長のウンベルト・ドナーティさんによる挨拶が。
これまで8年間の上映作品95本のうち、29本が日本で配給されたのだそう。
開会式の後に上映された『まなざしの長さをはかって』という作品も観てきました。
『まなざしの長さをはかって』
イタリアの田舎町にやってきた若く美しい非常勤講師。町中の男たちが彼女に注目するなか、自動車整備工として働くチュニジア人男性と、ジャーナリストを目指す青年が彼女に好意を寄せて接近するけれど……というストーリー。ラブストーリーだと思って観ていると、サスペンス的な要素も入っているし、イタリアの人種問題もテーマになっている。人と距離感を取ることの難しさを描いていて、ちょっと考えさせられました。
ところで、映画の最初のほうで、彼女が引っ越してきてすぐ、集まってきた男たちに振る舞っていたのが「番茶」。美女に勧められて喜んで飲んでみたものの、しぶしぶ、という感じが笑えました。
主演のヴァレンティーナ・ロドヴィーニさん。「番茶はこの脚本で初めて知りました。今では気に入って、プライベートでもゲストに勧めてます」とコメント
この作品の次回の上映は、5月4日の16時から。いまのところ、日本での公開は決まっていないようなので、気になる方はぜひお出かけを。
「イタリア映画祭2008」
5月6日(火・休)まで
有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階)
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GW、おすすめ映画いろいろ [2008年04月30日(水)]
GWですね。今年は暦通りだとちょっと少ないですが、平日をつなげて11連休にする方もいるとか。それはうらやましい。
毎日天気もいいので、映画の気分じゃないかも、ですが…(私もつい、更新せずに何日も経過)、この連休中におすすめの映画をいくつかご紹介します。
まずは、先週公開になった、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』。主演のダニエル・デイ・ルイスが今年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞。作品賞にもノミネートされて、最後まで本命視された作品です。
ヒトコトで言えば、男の執念の一代記。無一文から油田を掘り当て、富を手にしてのし上がっていく男の人生を描いています。冒頭に、何もない荒涼とした土地で、ひとりきりで黙々と穴を掘り続けるシーンがあって、そこからすでに主人公のプレインビューがタダ者ではない感じが伝わってきます。その後彼は石油を掘り当て、巨万の富を手にすることになるのですが、才能があったとかラッキーだったとか、そういうスマートさはまったくなく、手段を選ばずに欲望を形にしていく。執念の力を見せ付けられる感じがします。
特に、彼の宿敵ともいうべき若き伝道師イーライとのやりとりは見もの。
強欲さのカタマリ、のような2人にはなかなか感情移入もしにくいのですが、観ているうちに、強欲、結構じゃないの? なんて刺激されるような気もする、ちょっとコワい映画です。
そしてこの映画、時間が158分だったり重厚なテーマだったりで、観終わるとかなりぐったりくるのも事実。そのあと大きな予定が入っている日は厳しいかもしれません。観るなら、メインイベントにして行くべし、です。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
監督・製作・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ディロン・フレイジャー、ポール・ダノ
(C) 2007 by PARAMOUNT VANTAGE, a Division of PARAMOUNT PICTURES and MIRAMAX FILM CORP. All Rights Reserved.
もう1本は『パーク アンド ラブホテル』
タイトルにあるとおりなのですが、舞台となる裏ぶれたラブホテルの屋上に小さな公園があって、老人や子供がそこで憩っている。その設定にまず惹かれます。
ホテルのオーナーは、無愛想な女性。演じているのはリリィさん。すみません、私は映画を観るまでリリィさんのこと、よく知らなかったのですが、とても素敵です。
毎朝ホテルの前をジョギングで通って、オーナーに挨拶している主婦が、ホテルでバイトさせて欲しいと頼むシーンがあるんですが、バイトに雇ってからは、それまでいつも感じよく挨拶していたオーナーが急にぶっきらぼうになる。それが、意地悪ではなくて、「身内だからこその無愛想な感じ」になっている。どこか突き放しつつ、ちゃんと見ていてくれる。こういう人がいたら、コワいけど関ってみたくなる。そういう意味で、オーナーと関わる女性たちの気持ちは共感できる気がします。
この映画は、「ぴあフィルムフェスティバル」のスカラシップ作品。過去には、『かもめ食堂』の荻上直子さんや、『運命じゃない人』の内田けんじさん、もうすぐ公開される『ぐるりのこと』の橋口亮輔さんもこのPFFスカラシップでデビューしているという、日本の若手監督の登竜門的な制度。注目の若手監督という意味でも、要チェックの作品です。
『パーク アンド ラブホテル』
監督:熊坂出
出演:りりィ、梶原ひかり、ちはる、神農幸、津田寛治、光石研
(C)PFFパートナーズ
そして、GWといえば、毎年恒例のイタリア映画祭もあります。明日から開催なので、開会式に参加できたらリポートしますね♪
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『時効警察』のコンビで映画!? 麻生久美子さんほか舞台挨拶 『たみおのしあわせ』 [2008年04月20日(日)]
これは、先週行った完成披露試写会なのですが。
なかなかレポートできず、もう週明け……。ということで慌ててアップしています。
左から、音楽担当の「勝手にしやがれ」リーダー、武藤昭平さん、大竹しのぶさん、原田芳雄さん、麻生久美子さん、岩松了監督、小林薫さん。オダギリジョーさんは仕事でブラジル、ということで欠席。残念。
監督は岩松了さん、主演はオダギリジョーさんと麻生久美子さん。
ドラマ『時効警察』シリーズでおなじみの2人です。
岩松さんによれば「オダギリさんと麻生さんというキャスティングを決めたのは『時効警察』が始まる前。オダギリさんからはOKいただいていたんですが、途中でこの話自体が流れそうになって、麻生さんまでオファーが行かなかったんです!」とのこと。
たしかに見慣れた2人ではありますが、この作品では『時効警察』とはまったく雰囲気が違います。
オダギリさんが演じるのは、真面目すぎて女性との付き合いは苦手な青年、民男。シャツのボタンはきっちり上まで閉めないと落ち着かないタイプです。父と2人暮らしの民男が父の上司の紹介でお見合いをし、出会ったのがヒロインの瞳。瞳は清楚な感じを漂わせながら、どこかワケあり風。『時効警察』の三日月しずかちゃんとは相当イメージの違う「謎の美女」キャラです。
麻生さんは「ワケあり美女」の瞳役。今回の作品について「セリフがステキなんです。岩松さんの書いたセリフは魅力的で、言うのが楽しみでした」とコメント。
記者会見でこの映画を作ったきっかけを尋ねられて「20年くらい前にテレビ局の人にドラマを頼まれて書いた同タイトルの話があるんですが、3ヶ月くらい書き直しをさせられた末、ボツにされてギャラももらえなかったという恨みがましい記憶があって、何とか形にせねばと思っていた」と答えたり、「映画が完成して、幸せ絶好調ですか?」という質問には「人生訓として、喜びが高じたときはなるべく喜びを抑えるようにしているので。実は嬉しいんですけど、表面上はそんなに嬉しくないような感じをとるのが、世間に対する礼儀だろうと思っています」と前置きしたあとで「でも嬉しいです(笑)」とコメント。
岩松監督の発言って、とぼけた風情が漂いながら、どこかホッとするような感じがあるんですよね。オダギリさんと原田芳雄さんが演じる父子の会話やしぐさの中にも、世間からは理解されない、でも2人だけにはわかる世界観みたいなものがあって、観ていて和みました。
とにかく登場人物がみな強烈に個性的。ドタバタシーンも、笑えてジーンとするシーンもたくさんあります。公開はもうすこし先ですが、チェックしていただきたい作品です。
(C) 2007『たみおのしあわせ』フィルムパートナーズ
ところで。
この夏は日本映画が充実しています。
今回の作品もそうですが、最近マスコミ試写会に行った日本映画は、どれもしみじみ、いいなぁと思える作品でした。
なかでもダントツに素敵なのが、橋口亮輔監督、木村多江さんとリリー・フランキーさん主演の『ぐるりのこと。』 と、是枝裕和監督、阿部寛さん主演の『歩いても 歩いても』 。あとはタナダユキ監督、蒼井優さん主演の『百万円と苦虫女』も甘酸っぱくドキドキしました。どれも、試写会場がすぐに満席になってしまう人気作品。公開はもう少し先になりますが、このあたりもマークしておいて損なし!です。
『たみおのしあわせ』
監督:岩松了
出演:オダギリ ジョー、原田芳雄、麻生久美子
7月シネスイッチ銀座ほか、全国順次公開
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歴史と女性たちに翻弄された天才 『ラフマニノフ ある愛の調べ』 [2008年04月19日(土)]
今日から公開の『ラフマニノフ ある愛の調べ』。
ラフマニノフって、ロシアの作曲家であること以外、本人についてはほぼ何の知識もなかったんですが、この映画、楽しめました。
クラシックファン向けの“音楽映画”というよりは「歴史と女性たちに翻弄された天才ラフマニノフと、その妻」というテーマの“恋愛映画”といったほうが、近いんじゃないかなと思います。
冒頭はNYのシーン。ロシア革命から逃れてきたラフマニノフが、カーネギー・ホールでの演奏会で大成功を収める。で、それを機にアメリカ国内を延々ツアーでまわっていくことになります。
彼の演奏はどこでも熱狂的に迎えられるし、待遇も悪くない(列車で移動するのですが、彼らが乗っているのはピアノつきの豪華なサロンのような特別車輌)。でも、本人は日に日に憔悴して、弾けないし、曲も書けない状態に陥ってしまう。
常に不機嫌でイライラしているので、そういう人ってこと?と思って観ていると、回想シーンに変わり、ロシアの時代に若き天才ピアニストとしての才能を認められ、大恋愛も経験するという、演奏家としても作曲家としても華やかで自信に満ちていた時代が描かれる。
その当時のロシアのシーンがどれも本当にきれい。ライラックの森や美しい庭園のあるお屋敷が登場し、女性たちは美しく野生的。こういう環境にいたからこそ、優雅でロマンティックな名曲が生まれたんだなあと思えます。それだけに、その後、ロシア革命の恐怖を経験して、国を捨ててアメリカに逃げてきた彼が、作曲できずに苦しむのは当然といえば当然。
結局、天才が天才として輝くには、いろんな条件が必要なんですね。ラフマニノフの場合は環境もそうですが、女たちの影響、そして妻の腹のくくり方が大きかったようです。アーティストの妻って、本当に大変……。
もちろんラフマニノフの曲も流れます。
恋愛と歴史と音楽がいいバランスで入っている作品。デート向きです!
『ラフマニノフ ある愛の調べ』
監督:パーヴェル・ルンギン
出演:エフゲニー・ツィガノフ
Bunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマほか全国公開中
(C) 2007 THEMA PRODUCTION JSC (C) 2007 VGTRK ALL RIGHTS RESERVED
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絢爛豪華なセットで繰り広げられる、ドロドロの愛憎劇 『王妃の紋章』 [2008年04月15日(火)]
もう公開されていますが『王妃の紋章』、すごい映画です。何がすごいかというと、その豪華絢爛なセットと衣装。「瑠璃」という光る柱が使われた宮廷内は七色に輝いていたし、金糸をふんだんに使った衣装はどれも豪華で、全編まばゆいほどにキラキラした世界です。登場する女官やら兵士やら王に仕える人数もとにかく多い。なにせ製作費は50億円! ケタ違いにお金のかかった映画です。
王家のファミリー。衣装がキラキラです。ピンクに光っている柱が瑠璃。この柱がズラリと並んだシーンも圧巻です。
ストーリーは中国史上、最も華やかな唐王朝滅亡後の時代を舞台に、宮廷で繰り広げられる愛憎劇を描いています。王と王妃の間は冷え切っていて、王妃は隠れて継子の皇太子と関係を持っていたり、王が王妃の健康のために毎日運んでくる「薬」が、実は「毒薬」だったりと、ドロドロした関係がつぎつぎに明らかになる……。
かなり人間関係はぐちゃぐちゃですが、話自体はとてもわかりやすいので、ちょっと昼のメロドラマを観るような感覚に近いかも。ちょっとあり得ないストーリーですけど、ハマるとスーッと入るこめて楽しめます。特に王妃役のコン・リーの演技が圧巻。毒と知りつつ薬を飲み続けながら、取り憑かれたように菊の刺繍を続けるようすは、狂気を帯びていてゾッとしました。
次第にカラダに毒が回りながらも毅然とした態度。コン・リーが王妃を熱演!
監督は、北京オリンピックの開会式・閉会式の総合プロデューサーを務めることになったチャン・イーモウ。前作の『HERO』『LOVERS』でも、戦闘シーンで広場に数えきれないほどの兵士がズラーッと並んで矢を放つ、といった壮大なシーンがありますが、この作品もしかり。しかも今回、広場には菊の花が敷き詰められていて、戦いが終わったあとは、あっという間に菊が新しいものに置き換えられていく。そういう描写にも王の権力の強大さが出ていたと思います。
戦闘シーンで言えば、忍者部隊に注目です。突然シュルシュルーっと現れて、動きがすばしっこい。登場シーンでは毎回意表を突かれるので、コワいんですけど面白い。アクション映画としても楽しめました。
『王妃の紋章』
監督・脚本:チャン・イーモウ
出演:チョウ・ユンファ、コン・リー、リウ・イエ、ジェイ・チョウ、リー・マン
東劇ほか全国公開中
(C)Film Partner International Inc.
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