MOVIE HUNETER

2007年11月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

小作品だけど注目!『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』 [2007年11月07日(水)]
 
この映画、アメリカで公開された当初はかなり小規模だったものが、口コミで広がってボックスオフィス6位にまでランクインしたという話題作。
アメリカ映画ってことで、国内だから何かウケる要素があったのかも……、と思っていましたが、観たら納得。人に勧めたくなる映画なのです。

(C) 2007 TWENTIETH CENTURY FOX

舞台はアメリカの田舎町。小さなダイナーでウェイトレスとして働くジェンナは、パイ作りの天才。彼女のオリジナルレシピは、食べる人をみな幸せにするし、同僚も彼女の新作をいつも楽しみにしている。でも、彼女の毎日はストレス続き。なぜなら夫が嫉妬深く、彼女の自由を奪っているから。少しずつ夫に隠れてお金を貯め、いつか家出を、と考えていたジェンナだが、ある日予想外の妊娠が判明。困惑しているジェンナを迎えた産婦人科のポマター先生は、彼女のことを気遣ってくれて二人は急接近。彼女は新しい恋を選ぶのか……?

このヒロイン、こんなワガママな夫なんかさっさと捨てて逃げてもよさそうなのに、意外と耐え忍ぶタイプ。夫をなだめつつ、パイのコンテストに出たいんだけど、いいかな〜? なんて、説得してみるあたり、なんとかうまくやっていこうと努力しているのです。夫には思い切り「オレのためだけに焼けばいい」なんて言われて終わるんですけどね。まるで、夫に黙って従う、ひと昔前の日本のよき妻のよう。その妻が、夫とお腹の子どもと新しい恋人を前に、どういう結論を出すのかが、とても興味深いのです。

この映画、ところどころコメディも入っているし、ミュージカルみたいな大げさな動きもある。特にジェンナ役のケリー・ラッセルの、ちょっと人形っぽい演技がとってもキュート。彼女は『M:I:V』でトム・クルーズの教え子役で出ていた女優さんですが、こっちのほうが断然魅力的に見えました。

ほかのキャストも、ビッグネームはでていませんがそれぞれにキャラクターの濃い人たち。ぽわーんとした可愛いキャラだなーと思って観ていたジェンナの同僚のドーン役は、エイドリアン・シェリー。この作品の監督さんでもありました。でも、公開時には40歳の若さでなくなられたのだそう。それは本当にショックで残念な話。ご冥福をお祈りしたいですし、こんなにさわやかな気持ちになれる映画を作ってくれたことに、感謝です。



『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』
監督・脚本・出演:エイドリアン・シェリー
出演:ケリー・ラッセル、ネイサン・フィリオン、シェリル・ハインズ
11月17日よりシャンテ シネほかにて全国公開

この秋、たそがれるなら『めがね』 [2007年09月16日(日)]
 
フィンランドを舞台にした『かもめ食堂』のスタッフとキャストが、こんどは南の海辺で作った作品が『めがね』。

まず、タイトルがシンプルすぎてストーリーが想像できず、チラシのビジュアルも主演の5人が片足挙げて踏ん張っているような何やら不思議なポーズ。これは気になりますよね。マスコミ試写会も、ものすごい混雑ぶりでした。ちなみにこのポーズは、「メルシー体操」といって、もたいまさこさんが演じるサクラさんが作ったもの。テキパキした体操でもなく、太極拳ほどためた動きでもない。手足をブラブラさせたりカラダを揺らしたりして、自由な感じがこの作品のテイストにぴったりです。

これがチラシのメルシー体操


ケータイも通じない、観光名所もない南国の海辺。やることといえば、たそがれること。
大きなスーツケースを抱えてやってきたタエコ(小林聡美)は、宿ではそっけなく出迎えられ、何もないところに放っておかれることに最初は戸惑うけれど、しだいにそこにながれるリラックスした空気になじんでいく。

タエコを迎える宿の主人・ユージ(光石研)と、そこをたびたび訪れる高校教師・ハルナ(市川実日子)。2人が信頼を寄せる、謎の女性・サクラ(もたいまさこ)とタエコを追ってやってくる青年・ヨモギ(加瀬亮)。それぞれにどんな過去があるのかは語られず、お互いに干渉もせず、ほどよく距離感を保ちながら同じ空間にいることがほんとうに居心地よさそう。
それは、そこにいるメンバーそれぞれが「たそがれること」を大切に思っているからなんだろうということが、薬師丸ひろこが演じる役が中盤に出てくることで、強く実感できるのです。

食事が美味しそうなのもこの映画の特徴。シャケと玉子焼きのごくごくふつうの朝食が食欲をそそります。下の写真のえびにかぶりつくシーンも、かなりそそられました。

こういう映画を観ると、ふらりとどこかに行きたくなります。たそがれ休暇、取りたいなあ。

(C)めがね商会

『めがね』
監督:荻上直子
出演:小林聡美、市川実日子、加瀬亮、光石研、もたいまさこ
9月22日(土)よりテアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマ、シネセゾン渋谷ほかにて全国ロードショー

甘酸っぱくてなつかしい! 『天然コケッコー』 [2007年07月24日(火)]
 
今回ご紹介するのは、『天然コケッコー』。
くらもちふさこさんのコミックが原作です。

(C) 2007「天然コケッコー」製作委員会

映画の舞台は、豊かな自然が残る田舎町。小中学生あわせても、生徒がたった6人しかいない分校に、東京から大沢広海という中学2年の男の子が転校してくる。
同じ中学2年の右田そよは、初めて同級生ができたことに喜ぶけれど、クールでちょっと意地悪な大沢君に、なかなか近づくことができない。でも、しだいにお互いのことが気になりだして…、という、甘酸っぱい初恋物語。

さわやかでかわいいけれど、ちょっとがんこな姉キャラ気質のそよちゃん役を、夏帆ちゃんが上手く演じています。方言丸出しのセリフも、夏帆ちゃんが言うと、なんだかかわいくって、マネしたくなる。
大沢君を演じる岡田将生くんも、クールだけどやさしい大沢君役にぴったり。あんなイケメンが転校してくるなんて、本当にそよちゃんがうらやましい。

2人の恋が軸にはなっているけれど、ほかの子どもたちや近所の人たちのやりとりも、いきいきとして魅力的。
同じ中学生の、そよちゃんと伊吹ちゃん、篤子ちゃんの3人の関係は、気を許しているだけに、きついことを言い合ったりするところがリアルで面白い。
歳の近い大沢君が転校してきたことで、やっとバレンタインに渡す相手ができたと、みんなでチョコレートを買いに行ってはしゃぐ、なんてエピソードも、いかにも中学生女子って感じがかわいいのです。

島根県で撮影されたという、田んぼや山、海の風景もこの作品の魅力。夏休みに田舎に帰る、といった経験がない人でも、不思議となつかしさを感じるような気がします。

映画の世界にすっかり魅了されてしまって、観終わってすぐ、原作コミックを買いに走ったのですが、これがまた、いいのです。
先が気になるけど、読み終えるのがもったいないような…
そんな作品でした。

映画の公開は今週末です。


『天然コケッコー』
原作:くらもちふさこ
脚本:渡辺あや
監督:山下敦弘
出演:夏帆、岡田将生、柳英里沙、藤村聖子、夏川結衣、佐藤浩一
7月28日より、シネスイッチ銀座、渋谷シネ・アミューズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

『イタリア的、恋愛マニュアル』 [2007年07月20日(金)]
 
今日は、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の公開日でしたね。
事前に試写会に行けなかったので、内容についてはコメントできないのですが、先月末、ダニエル・ラドクリフ君が来日したときの記者会見の写真がありますので、そちらをご紹介します。

プロデューサーのデイビッド・ヘイマンと。
ハリーもすっかりオトナ。でも、キスシーンについて、あれこれ質問されても、
誠実に答えていたところが、相変わらず好感度大!


これだけスターになっても、品の良さと、謙虚さをキープしているところがエラい! 
もう、ハリーも大人になっちゃったし、毎回観ることもないかなー、なんて思っても、
彼を見ると「やっぱり応援しなきゃ!」という気になる。
あと2作、がんばってもらいたいですよねー。
その前にこの作品も観に行かなくては、ですけど。

☆----☆----☆----☆----☆----

で、今日ご紹介するは『イタリア的、恋愛マニュアル』。
現在公開中の作品です。

(c)2005 Filmauro S.r.l.

イタリア的恋愛、といっても、いわゆる「艶女(アデージョ)」や「艶男(アデオス)」みたいな、ムンムンした人たちの話ではなく、この映画に出てくるのは(特に男性は)、むしろ冴えない感じの人たち。
だから、すごく親近感が湧きました。

話の展開も、ロマンティックというよりは、自分の周りにもふつうにありそうな、リアルな恋愛のエピソードを面白おかしく演出しているので、ラブストーリーなのですが、思わず笑ってしまうシーンの連続。

内容は「出会い」「倦怠」「浮気」「別離」をテーマにした4つのストーリーで構成されています。
どの話も面白かったのですが、最初の話がかなりのインパクト。
失業中の青年が、街で見かけた美女にアプローチするのですが、その、なりふりかまわぬパワーがすごい!

最初は「無理無理! ありえない」と思って観ていても
だんだん「そこまでするなら、応援するか」という気になる。
恋愛って「なりふりかまわなさ」が結構重要だったりするのかも…なんて、しみじみしていると、次の話が「倦怠」。
「出会い」のラストシーンから「倦怠」への話の移し方がまた絶妙で、「そうは言っても、なりふりかまわず、なんてアツくなれるのは最初だけなんだわ!」なんて、一気にこちらの気持ちまで倦怠ムードになってくる。

と、そんな感じで、ラストまで話がうまーくつながっていて、本当に楽しめました。
イタリアでは大ヒットを記録して、続編ができることが決まったそう。
日本でも公開するといいなあ。

この作品、デートでもいいけれど、
観た後に「男って…」、「女って…」、みたいな話になりそう。
だったら女ともだちと、恋バナの材料にするほうが楽しいかも。

『イタリア的、恋愛マニュアル』
監督・原案・脚本:ジョヴァンニ・ヴェロネージ
出演:シルヴィオ・ムッチーノ、ジャスミン・トリンカ、マルゲリータ・ブイ、セルジョ・ルビーニ
シネスイッチ銀座・川崎チネチッタほかにて公開中

☆----☆----☆----☆----☆----

今日は、『オフサイド・ガールズ』という9月公開のイランの映画の試写にも行きました。
これが、すっごくよかったんですよ!
詳しいご紹介はまたあらためて。

プロフィール
プロフィール
ミヤモトヒロミ。ライター。映画やカルチャー関連の記事をウェブサイトや女性誌などで執筆。
号泣モノから爆笑ストーリー、胸キュン恋愛ものまで、忙しくても絶対劇場で観たい!と思える映画を厳選してご紹介します!
http://www.cafeblo.com/moviehunter/index1_0.rdf