宮沢りえさんが殺し屋!? 『ゼラチンシルバーLOVE』 [2008年11月18日(火)]
昨日、『ゼラチンシルバーLOVE』の完成披露試写会に行ってきました。
写真家の操上和美さんが初めて監督に挑戦した映画。
ヒロインの殺し屋役が宮沢りえさん。
彼女のイメージは、どうしても『たそがれ清平衛』『父と暮らせば』のような、静かに尽くすはかなげなタイプというのが強くて、殺し屋と聞いたときは違和感がありましたが、今回の彼女はたしかに違いました。
一番ドキッとしたのが映画の試写状のハガキに印刷されていた宮沢さん。堂々とした存在感があって、目が離せなくなる。
試写会で入場する際にチケットとして渡してしまうのですが、ここ最近で一番インパクトのある試写状だったので、お見せできなくて残念! 写真を取っておけばよかった……。
これが映画のメインビジュアル「ゆで卵を食べる殺し屋」。うっとりするほど美しくてエロティック。ちなみに試写状は「ソフトクリームをなめる殺し屋」です
試写状ですら存在感がありましたが、この映画の中の宮沢さんは本当に美しくて強烈な印象。ファッションも昔のフランス映画の女優さん風のスタイルで、しぐさもエレガント。永瀬正敏さんが演じるカメラマンが、彼女にのめりこんでいくのですが、気持ち、わかります!
セリフは極端に少なかったんですが、映像だけでも十分に満足できる。写真家の方が撮ったという先入観を持って観ているせいもあるかもしれませんが、画面の構図や、色使い、コンクリートの湿った感じや卵の黄味のトロンとした感じ、といった質感にも強いこだわりが感じられました。
試写会の後、舞台挨拶がありました。
左から操上監督、宮沢りえさん、殺し屋を撮影し続けるカメラマン、という役の永瀬正敏さん
タイトルの「ゼラチンシルバー」というのは、写真のフィルムに塗りこめられた薬品のことで、この映画のテーマ「写真を撮ることによって愛を取り込む」ということにちなんでつけたのだそう。
写真家の操上さんと宮沢さんが初めて仕事をしたのが20年ほど前で、2人はそれ以来のおつきあいなのだそう。宮沢さんは「繰上さんが映画を撮ると聞いて、内容も聞かず台本も読まずに『絶対出たい!』とお答えして出させていただきました。不思議で刺激的な現場で、操さんならではの映画だと思います」とコメントしていました。
ちょうどいま発売されている『ブルータス』の表紙も宮沢りえさん。操上監督と、主題歌を担当した井上陽水さんとの対談が掲載されていました。宮沢さんが2人におすすめの映画について尋ねる、という内容も面白かったのですが、3人がお互いを撮り合ったという写真があって、宮沢さんが撮った写真に写った操上さんが、ちょっと照れてて可愛いのがよかったなあ。
公開は、来年になります。
『ゼラチンシルバーLOVE』
2009年早春、銀座テアトルシネマ、東京都写真美術館、新宿武蔵野館ほか公開予定
|
ジュリアン・ムーア初来日! 『ブラインドネス』記者会見 [2008年10月21日(火)]
開催中の東京国際映画祭で、特別招待作品として先行上映された『ブラインドネス』の記者会見に行ってきました。
左から木村佳乃、ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、フェルナンド・メイレレス監督。ジュリアンは意外にも初来日なのだそう。
初来日についてたずねられると「日本に来られて本当に嬉しい。何もかもが新鮮でエキサイティングです!」とコメント
この映画、突然目の前が真っ白になり、視力を完全に失ってしまう謎の伝染病が全世界に広がっていくという話。伊勢谷さんが演じるのが最初の患者、木村さんがその妻。ジュリアンが演じる女性は夫に付き添って感染者が隔離された施設に入りながら、実はただ1人感染せず、周囲に起こっていることを目の当たりにする、という役。
出演者たちはエキストラも含め、監督の意向で撮影に入る前にトレーニングキャンプに参加。そこでは目隠しをして鬼ごっこをするなど、盲目の状態がどういうものかを体験して、演技が自然に見えるように特訓を受けたのだそう。
その体験について伊勢谷さんは「自分の感覚が研ぎ澄まされるというのもあるけれど、結局、目が見えないと、すぐ隣にいる人を頼ってしまうことが分かった。そこに愛があれば安心するけれど、ない場合はどうなるのか。それがこの映画の恐怖につながる」と、木村さんは「目が見えないというのは本当に恐怖。しゃがみこんで一歩も動けなくなってしまった。でも、役作りの上で本当に助かったので、日本の映画でもワークショップが開かれるといいと思います 」とコメント。
ジュリアンと木村さんは会見中も談笑する場面が多く、仲がよさそう! 服装も含め、姉妹のようでした。
2人の演技についてジュリアンは「会った時は、モデルのようでなんて美しい2人だろうと思いましたが、演技についても素晴らしい才能を持っています。盲目になってしまった夫婦として、2人が再会するシーンでは、思わず私も周りのスタッフたちも泣いてしまった」と絶賛していました。
会見の後半は、スイーツ親方が登場してヒット祈願の特大まんじゅうをジュリアンに渡したり……
記者のリクエストに応えて、木村さんがセクシーな背中を披露するシーンも。
ほかに鏡割りイベントまであって、シャッターチャンスも多めの和気あいあいとした会見だったなあという印象ですが、実際の映画のほうは本当にコワいです。
伝染病の恐怖というより、人間の本能がむき出しになるコワさを描いていて、こういう極限の世界で信じられるものって何だろう? なんてことを考えさせられてしまう、見ごたえのある作品。
公開は1ヶ月くらい先ですが、ぜひチェックしてください。
あ、試写会プレゼントもあるようです。締め切りは11月3日。まずはこちらにご応募を!
『ブラインドネス』
監督:フェルナンド・メイレレス
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
キャスト:ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、木村佳乃、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル
11月22日、丸の内プラゼールほか全国ロードショー
|
トニー・レオンが! 豪華女優陣が! 「東京国際映画祭」開幕 [2008年10月19日(日)]
昨日開幕した「東京国際映画祭」、オープニングセレモニーに行ってきました!
毎年、ドレスアップした関係者が歩くレッドカーペットが話題になりますが、今年は映画祭のテーマが「エコ」ということで、レッドカーペットが緑色の「グリーンカーペット」に変わりました。素材もペットボトルをリサイクルして作られたものだそう。
そんなエコなオープニングではありましたが、今年もみなさん華やか! ということで、恒例の?女優のみなさんの華やかなドレススナップをお届けします♪
左から、『余命』主演の松雪泰子さん、『櫻の園 −さくらのその−』の杏さん、『ブラインドネス』の木村佳乃さん。木村さんは今年の映画祭大使、杏さんは、映画祭のグリーン・アンバサダーとしても参加。木村さんと杏さんはリムジンなどは使わず、エコカーでグリーンカーペットに登場。
左から、『THE CODE /暗号』の稲森いずみさん、渡部篤郎初監督作品『コトバのない冬』主演の高岡早紀さん、『R134STORY カモミールの羽』より伊藤歩さん。
左から、ゲストの長澤まさみさん、クドカン監督の話題作『少年メリケンサック』の宮崎あおいさん、『ラブファイト』の北乃きいさん。『少年メリケンサック』チームは、全員パンクロックな衣装で登場。篤姫からパンクまで、何でも着こなせる宮崎あおいさん、さすがです!
そして、オープニング上映の特別招待作品『レッドクリフ』チームが登場すると、会場の盛り上がりは最高潮に。なんたって、トニー・レオンと金城武がダブルで登場ですからね。撮影場所からはカーペットを歩く姿が見えなかったのですが、彼らの動きに合わせて黄色い声が移動するので、今はあの辺かな〜と分かるほど。
ステージ上に一同がずらりと現れたときは、イイ男たちのスーツ姿が圧巻で。ついコーフンしてシャッターを切りすぎてしまい、データカードがフルになって焦りました。彼らが最後のチームでよかった……。
左から、ヴッキー・チャオ、チャン・チェン、金城武、ジョン・ウー監督、トニー・レオン
総理としては歴代初! グリーンカーペットに登場した麻生総理。このあと、オープニングセレモニーに出席、『レッドクリフ』も鑑賞する予定だとか。
『東京国際映画祭』
26日(日)まで 六本木ヒルズ、Bunkamuraほか
|
伊勢谷さん&木村さん舞台挨拶 『ブラインドネス』 [2008年08月14日(木)]
うーん、今日はショッキングな映画を観てしまいました。
フェルナンド・メイレレス監督の『ブラインドネス』です。
今年のカンヌ映画祭でオープニング作品だったので、レッドカーペットを歩く木村佳乃さんと伊勢谷友介さんの姿が話題になっていましたよね。
今日は完成披露試写会ということで、メイレレス監督と木村さん、伊勢谷さんの舞台挨拶がありました。
日本人が登場するという設定は原作にはなかったもの。この2人の起用については、「特定の国や人種の話にしたくなかった。アジアの俳優を選ぶ中で彼らに決まった。英語が話せて演技力があることはもちろん、エレガントな雰囲気があって、通じ合えるものがあったから」と監督。
伊勢谷さんと木村さんは夫婦という設定で、日本語で話すシーンもいくつかあるのですが、あるシーンについては伊勢谷さんがセリフを書いたのだそう。「そのシーンを観ると自分がクロサワにでもなったように思える(笑)。日本語の響きはとても美しいと思います」と監督も気にいっているようす。
  最初の挨拶で「メイレレス監督のことをとても尊敬しているので、一緒に仕事ができてとても幸せでした」と伊勢谷さん。「心に残る深い作品です。目が見えなくなったときに人はどんな行動をとるのか。いろいろと考えさせられました」と木村さん。
共演したガエル・ガルシア・ベルナルのインスピレーションに圧倒されたと伊勢谷さんがコメントすると、ジュリアン・ムーアは撮影の合間に食事やたわいもない女性トークで楽しく和ませてくれたので、オンとオフの切り替えがうまくできたと木村さんがコメント。2人の息もぴったりでした。
で、映画のほうですが、会見の和やかな雰囲気とはまったく違って、かなりショッキング。まだちょっとアタマの中が整理できていないです。
伊勢谷さんが演じる男性がある日急に失明。原因がわからないうちに、急激に感染していくという話なんですが、この映画は感染源とか症状のコワさよりも、人間の闇の部分とか野生の部分が出てくるコワさがキョーレツでした。
突然目が見えなくなって、隔離されたらどうなるか。
ピリピリする空気の中、音楽が流れたときだけではみんなが平和な表情だったのがすごく印象的でした。
監督も、「目が見えないということはメタファー。いかに人類は、自分のことも相手のことも環境のことも見えていないか。本当に見るためにはどれだけ苦労しなければいけないのか。そういうことを描きたかった」とコメントしていました。
ひとりだけ本当は目が見えているジュリアン・ムーアの役。彼女の存在が大きな鍵に
公開は11月。ってことは、まだけっこう先ですが、サイトで予告編は観られるようです。
『ブラインドネス』
監督:フェルナンド・メイレレス
原作:ジョゼ・サラマーゴ
出演:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、伊勢谷友介、木村佳乃、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル
2008年11月 全国ロードショー
(C) 2008 Rhombus Media/O2 Filmes/Bee Vine Pictures
|
菅野美穂さん登場! 『パンダフルライフ』試写会に行ってきました♪ [2008年08月07日(木)]
先日ここでもお知らせした、六本木の東京ミッドタウンの裏側にあるガーデンシアターカフェで、『パンダフルライフ』の試写会イベントがあるというので行って来ました。
カフェグローブでもプレゼントしていたので、参加された方もいるかもしれませんね。
『パンダフルライフ』はパンダのドキュメンタリー映画。
今日は公開記念イベントということで、ナレーションを担当している菅野美穂さんのトークショーと、主題歌を担当しているオトナモードのライブなど、盛りだくさんの企画つきでした!
屋外での試写会というだけでも、かなりワクワクしますよね。一瞬雲行きも怪しくなりましたが、今日はなんとか持ちこたえました。
上映前の会場はこんな感じ。前方のウッドチェアにすわることもできるし、後方ではクッションを借りて芝生の上にごろりと横になってもOK。会場のあちこちに、パンダのぬいぐるみがさりげなく置かれているのも和みます〜
ウッドチェアは脚も伸ばせて、すごく気持ちいい〜。音声はヘッドフォンで聴くこともできます。『パンダフルライフ』の上映は今日だけですが、24日まで毎日何か上映しているので、ぜひ行ってみて!
さて、イベントがスタート、菅野さんの登場です。ゆかた姿が涼しげ♪
「パンダに癒されてください」と菅野さん。ナレーションの声も心地よくて癒されます
初めてナレーションを担当ということで、映像を見ながらわかりやすく説明したり、ときにはパンダの目線になったりしてしゃべるのが新鮮な体験だった、と菅野さん。実際に和歌山でパンダにも会ったのだそう。「生後15ヶ月くらいの赤ちゃんパンダに会ったんですけど、会う前はチャンスがあったらなでてみたいと思っていたのに、赤ちゃんでも100キロを越す大きさで! やっぱりクマなんだ……って思いました。でも、間近に見るパンダはとびきりかわいかったです!」とコメントしていました。
映画に合わせて菅野さんがプロデュースした扇子。ここには写っていませんが、ほかに風呂敷も。「カジュアルで持ちやすいし、エコにもなると思いますのでぜひ使ってください♪」ちなみに、パンダのイラストは、くらもちふさこさんのもの
オトナモードのメンバー登場で記念撮影。このあとライブで3曲演奏してくれました。主題歌の「グリーン」がよかったです!
オトナモードのライブは、アコースティックな音が会場の雰囲気にもぴったりの、さわやかで気持ちのいいライブでした。
ライブ終了後、上映がスタート。
『パンダフルライフ』は、中国四川省にある成都パンダ繁育研究基地と、和歌山県にあるアドベンチャーワールドでそれぞれ暮らすパンダの1年を追ったもの。
フワフワ、ホワホワの子パンダたちがはしゃぎまわるシーンは思わずニヤケてしまいますが、母パンダの子育てシーンは初めて観る映像ばかりで目が釘付けでした。特に、子パンダを胸に抱えて授乳する母パンダ、子パンダをギュッと抱きしめる母パンダの姿は感動的! 抱きしめ方が人間っぽいこともあって、すごく感情移入しちゃいました。
かわいいだけじゃないけど、あらためて、パンダが大好きになる。そんな作品です。
『パンダフルライフ』
監督:毛利匡
ナレーション:菅野美穂
キャラクターデザイン:くらもちふさこ
8月30日より新宿ピカデリー、恵比寿ガーデンシネマほか全国ロードショー
|
キャメロン&アシュトン来日! 『ベガスの恋に勝つルール』 [2008年08月06日(水)]
今日は(日付が変わってしまいましたが)朝から雷、という不思議な天気でしたが、キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャーの記者会見に行ってきました。
来週末から公開される『ベガスの恋に勝つルール』のプロモーションでの来日です。
6年続けて来日しているキャメロンは、今回早めに来日して母親と叔父、叔母、友人というご一行で観光していたのだそう。初来日のアシュトンも、デミ・ムーアと一緒に京都観光をしたのだとか
この作品は、恋人にフラれたばかりのキャリアでカンペキ主義のジョイ(キャメロン・ディアス)と、仕事をクビになったお気楽者のジャック(アシュトン・カッチャー)が、ラスベガスで出会って盛り上がり、その日のうちに結婚! 翌朝正気に戻って離婚しようとしたときに、ジョイのコインでジャックが300万ドルを当ててしまったので、その賞金の取り分を巡って激しく対立。離婚を有利に進めるために共同生活を始めるというストーリー。
最悪な出会いの2人がしだいに関係を深めていく、というふつうのラブコメと違って、あっという間に結婚して、その後の2人、というちょっと逆の流れが入っているところが面白いんです。
役柄との共通点をたずねられると、「女優をやっていて面白いのは、自分とまったく違うタイプの人間を演じられること。私はジョイとは全然違って、計画性もないし、カタくもない。靴のサイズは一緒だけど」とキャメロン。アシュトンは「競争心が強いところはジャックと似ているかも。でも、キャメロンに負けないように体を鍛えたんだけど、結局勝てない。キャメロンは強かったよ」とコメント。
ドレスはフェンディ、靴はステラ・マッカートニー
アドリブの演技も多く、実際にはカットされたシーンもたくさんあるのだそう。たとえば、セントラルパークをケンカしながら走り抜けるシーン。「タックルしたり、上に乗ったりとちょっとバイオレンスにやりすぎちゃったのよね」とキャメロン、「ブロンド美女をやっつけるのが楽しかったからね」とアシュトン。テンポのいい2人の掛け合いは、映画の続きを観ているようでした。
お互いの好きなところを挙げて、という質問には「アシュトンは心が広くてスピリチュアルなところがある人。だから、周囲を穏やかな気持ちにしてくれる」というキャメロンに対して「キャメロンはユーモアのセンスがバツグン。自虐ネタで笑わせることができるのは謙虚な人だからだよね。相手のよさを引き出してくれる人だと思う」とアシュトン。
たしかに!と思ったのは、キャメロンが会見中にグラスを倒してドレスに水がかかるハプニングがあったときに、「これ、春の新作よ」とジョークでサラリと切り抜けていたこと。スマートな対応はさすが。さらに、ムービー撮影のときも、舞台前方に立った2人にもっと奥に立ってほしいと要望を出すと、あえて後方の壁に張り付いてみたりして。最後までお茶目でキュートでした。
おまけの1枚。やっぱりかわいいですー
『ベガスの恋に勝つルール』
監督:トム・ボーン
出演:キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャー
8月16日より、有楽座ほかにて全国ロードショー
|
阿部ちゃんもYOUさんも、ちゃぶ台を囲んで舞台挨拶!? 『歩いても 歩いても』 [2008年06月26日(木)]
ちょっと変わった舞台挨拶に行ってきました。
今週末公開になる『歩いても歩いても』の関連イベントなのですが
出演者一同が、なんと、ちゃぶだいを囲んでの舞台挨拶。
左から是枝監督、YOUさん、樹木希林さん、夏川結衣さん、阿部寛さん。私の撮影位置からだと夏川さんがちょうど阿部ちゃんの影に入ってしまって見えなかった。残念。
このセットは、劇中に登場した“横山家”の居間を再現したんだそう。
トーク中もお茶を飲んだりすいかを食べたりと、和やかなムード。
とはいえ客席から観ると、ちょっとお茶の間コントを観ているような気分にも……。
「是枝監督の作品には憧れていたので、身長が大きいのに普通の役をもらってうれしかった」と是枝作品初出演の阿部ちゃん。是枝作品常連のYOUさんは「是枝組では仕事というより『ちょうつがい役』と呼ばれているので、これからもそう呼ばれたい」とコメント。
この映画は、阿部ちゃん演じる主人公の横山良多が妻(夏川結衣)と息子と3人で実家に帰省した1日を描いたもの。実家には良多の姉(YOU)夫婦たちも遊びに来ていて、久しぶりに家族が集まって賑やかに食卓を囲む。実は彼らは15年前に亡くなった長男の命日のために集まっていた、ということが中盤に明かされますが、特に大きな事件は起こるわけでもなく。いわゆる泣けるシーン、みたいなものも特にはないのですが、しみじみと泣ける、そんな映画でした。
是枝監督の挨拶の中に「この映画は、自分が母親を亡くしたときの後悔や悲しい気持ち、といったものからスタートしたんですが、できあがってみたら、観た人から『あれはウチの母親だ』、『自分も嫁として実家に帰ったときに同じ経験をした』といった感想をいただいたりして、観た人の人生のそばに寄り添えるような映画になったかなと思っています」とありましたが、まさにそう!
(C)2008『歩いても 歩いても』製作委員会
子どものころの話を何度も繰り返す母親、いいオトナなのにムキになって「それをやったのは兄さんじゃなくボクだから」と親の記憶を正そうとする息子。いくつになっても親子って親と子のまんまなんですよね。その一方で、風呂場に取り付けられた手すりに親の老い感じてドキッとしたり。こういうの、ちょっと身に覚えがあるかも。
気さくに振舞っていたかと思うと、急に残酷なことを言い出す母親、気まずくなりそうな空気をさっと読んで、さりげなく席をはずす姉、忙しいわけでもないのに、部屋にこもりがちな父親。大事な話が来客で中断されたり、唐突に話題が変わったり……。
これって恥ずかしいけどウチじゃない? と思うようなエピソードがたくさん出てきて、思わず家族のことを考えてしまいました。でも、そう思ったという人がたくさんいると聞くので、どこの家族も同じようなことしているってこと?
この映画が泣けるのは、ちょっとしたシーンやエピソードをきっかけにして、自分の人生や家族への思いにスイッチが入りやすくなっているからかもしれません。
横山家の一日の話ですが、きっと自分の家族のことを考えてしまうはずです。
『歩いても 歩いても』
監督・原作・脚本・編集:是枝裕和
出演:阿部寛、夏川結衣、YOU、樹木希林、原田芳雄
6月28日より、シネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQN、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
|
ジャック・ニコルソン14年ぶりの来日記者会見も。 『最高の人生の見つけ方』 [2008年05月09日(金)]
明日から公開の『最高の人生の見つけ方』。余命半年を宣告された自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と、実業家として大成功をおさめたエドワード(ジャック・ニコルソン)が、入院先の病院で偶然隣合わせになって意気投合。人生でやり残したことを書き出して「バケットリスト(棺おけリスト)」を作り、ひとつずつ実行していくというストーリー。人生の終わりが見えたとき、自分には何が残るのか、といったことを考えさせてくれる感動作です。
監督は、かつて『スタンド・バイ・ミー』で少年たちの友情と冒険の旅をみずみずしく描いたロブ・ライナー。そんな彼が今回描いたのは、死を目前にした老人の「友情と冒険」。
余命わずかな老人の冒険と聞くと、「死」に向かう旅のようで悲壮感漂いそうですが、かえって2人は生き生きしてくるし、残された時間が限られているというのに、長年連れ添った妻の説得を振り切って知り合ったばかりの仲間と過ごすという選択も、ある意味前向き。スカイダイビングやカーレースに興じる2人を観ていると本当に楽しそうで、ベッドの上で死を待つよりずっと良かっただろうなあと思えます。
カラッと笑えるシーンが満載ですが、その中に、自分の人生に対するギモンや家族に対する複雑な思いも見え隠れする。最後にはやっぱりジーンとさせられました。
そして何といっても主演の2人がいい。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという、存在感たっぷりの演技を観るだけでも価値のある作品です。
さて、もう1週間ほど経つのですが、ジャック・ニコルソンがこの作品のPRで来日。その記者会見の模様はといいますと……。
初来日は東京オリンピックの年だそう。さすがのカンロクです。
まず質疑応答の最初のほうで「どうせ聞かれるから、自分から言うけど」と前置きして、もし自分が「バケットリスト」を書くとしたら何を書くか、の答えについて語りはじめました。「作ったことはないけど、私にとってのリストは、シャツをクリーニングに持っていくこととかそういうものだね(笑)。でも、この質問について、ロブ・ライナーが気に入った答えは『私の年代の誰もが考えることだと思うけど、大きなロマンスをもう一度体験したい』で、これはぜひリストに載せたいね」と。
ほかにも「女性は好きだし、女性にもまあまあ好かれるからね」「最も印象的なキスは…
“So many”。いろいろ経験してきたから、数で勝負だね」と、余裕の発言もいろいろ出ていましたが、どの質問にも意外なくらい丁寧に答える姿が印象的でした。
『最高の人生の見つけ方』
監督:ロブ・ライナー
出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
5月10日より丸の内ピカデリー2ほか全国ロードショー
(c)2007 Warner Bros.Ent.
☆---☆---☆---☆---☆---☆----
ところで。
ずいぶん前にご紹介した映画『つぐない』の原作、イアン・マキューアンの『贖罪』を今さらながら読みましたが、すっっごくよかったので、書いてしまいます。
私は映画→小説の順ですが、映画のシーンを思い浮かべながら、さらにディテールを読むことができたので大満足でした。これは逆に小説→映画にした場合も、小説の世界観をまったく崩すことなくキャストもカンペキなので、感動できるはず。
まだ上映しているようですので、ぜひ小説とあわせておススメします!
|
未公開作品を公開へと変えられるかも!? 「イタリア映画祭2008」 [2008年05月01日(木)]
今日は、「イタリア映画祭2008」のオープニングに行ってきました。
毎年GW恒例の映画祭で、今年で8年目。2006年以降に製作された新作11本と、プレミア上映としてフェリーニの『8 1/2』が上映されます。
ほとんどの作品は、この映画祭のみの上映ですが、評判が良かった作品はそれがきっかけとなって、後に日本での公開が決まるというケースもあるようです。過去の例では『輝ける青春』『家の鍵』『イタリア式、恋愛マニュアル』など。そういう意味では、未公開作品を公開へと変えるきっかけを作れる場、とも言えるかも。
何年か前に『輝ける青春』を映画館で観て大感動して、もし未公開のままだったら、この映画に出会うこともなかったんだ、としみじみ思ったことがあるので、個人的にもこの映画祭には肩入れしたくなるんですよね。(『輝ける青春』は、長いけどホントにいい映画。機会があればぜひ!)
さて、今日の開会式ではイタリア文化会館館長のウンベルト・ドナーティさんによる挨拶が。
これまで8年間の上映作品95本のうち、29本が日本で配給されたのだそう。
開会式の後に上映された『まなざしの長さをはかって』という作品も観てきました。
『まなざしの長さをはかって』
イタリアの田舎町にやってきた若く美しい非常勤講師。町中の男たちが彼女に注目するなか、自動車整備工として働くチュニジア人男性と、ジャーナリストを目指す青年が彼女に好意を寄せて接近するけれど……というストーリー。ラブストーリーだと思って観ていると、サスペンス的な要素も入っているし、イタリアの人種問題もテーマになっている。人と距離感を取ることの難しさを描いていて、ちょっと考えさせられました。
ところで、映画の最初のほうで、彼女が引っ越してきてすぐ、集まってきた男たちに振る舞っていたのが「番茶」。美女に勧められて喜んで飲んでみたものの、しぶしぶ、という感じが笑えました。
主演のヴァレンティーナ・ロドヴィーニさん。「番茶はこの脚本で初めて知りました。今では気に入って、プライベートでもゲストに勧めてます」とコメント
この作品の次回の上映は、5月4日の16時から。いまのところ、日本での公開は決まっていないようなので、気になる方はぜひお出かけを。
「イタリア映画祭2008」
5月6日(火・休)まで
有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階)
|
『時効警察』のコンビで映画!? 麻生久美子さんほか舞台挨拶 『たみおのしあわせ』 [2008年04月20日(日)]
これは、先週行った完成披露試写会なのですが。
なかなかレポートできず、もう週明け……。ということで慌ててアップしています。
左から、音楽担当の「勝手にしやがれ」リーダー、武藤昭平さん、大竹しのぶさん、原田芳雄さん、麻生久美子さん、岩松了監督、小林薫さん。オダギリジョーさんは仕事でブラジル、ということで欠席。残念。
監督は岩松了さん、主演はオダギリジョーさんと麻生久美子さん。
ドラマ『時効警察』シリーズでおなじみの2人です。
岩松さんによれば「オダギリさんと麻生さんというキャスティングを決めたのは『時効警察』が始まる前。オダギリさんからはOKいただいていたんですが、途中でこの話自体が流れそうになって、麻生さんまでオファーが行かなかったんです!」とのこと。
たしかに見慣れた2人ではありますが、この作品では『時効警察』とはまったく雰囲気が違います。
オダギリさんが演じるのは、真面目すぎて女性との付き合いは苦手な青年、民男。シャツのボタンはきっちり上まで閉めないと落ち着かないタイプです。父と2人暮らしの民男が父の上司の紹介でお見合いをし、出会ったのがヒロインの瞳。瞳は清楚な感じを漂わせながら、どこかワケあり風。『時効警察』の三日月しずかちゃんとは相当イメージの違う「謎の美女」キャラです。
麻生さんは「ワケあり美女」の瞳役。今回の作品について「セリフがステキなんです。岩松さんの書いたセリフは魅力的で、言うのが楽しみでした」とコメント。
記者会見でこの映画を作ったきっかけを尋ねられて「20年くらい前にテレビ局の人にドラマを頼まれて書いた同タイトルの話があるんですが、3ヶ月くらい書き直しをさせられた末、ボツにされてギャラももらえなかったという恨みがましい記憶があって、何とか形にせねばと思っていた」と答えたり、「映画が完成して、幸せ絶好調ですか?」という質問には「人生訓として、喜びが高じたときはなるべく喜びを抑えるようにしているので。実は嬉しいんですけど、表面上はそんなに嬉しくないような感じをとるのが、世間に対する礼儀だろうと思っています」と前置きしたあとで「でも嬉しいです(笑)」とコメント。
岩松監督の発言って、とぼけた風情が漂いながら、どこかホッとするような感じがあるんですよね。オダギリさんと原田芳雄さんが演じる父子の会話やしぐさの中にも、世間からは理解されない、でも2人だけにはわかる世界観みたいなものがあって、観ていて和みました。
とにかく登場人物がみな強烈に個性的。ドタバタシーンも、笑えてジーンとするシーンもたくさんあります。公開はもうすこし先ですが、チェックしていただきたい作品です。
(C) 2007『たみおのしあわせ』フィルムパートナーズ
ところで。
この夏は日本映画が充実しています。
今回の作品もそうですが、最近マスコミ試写会に行った日本映画は、どれもしみじみ、いいなぁと思える作品でした。
なかでもダントツに素敵なのが、橋口亮輔監督、木村多江さんとリリー・フランキーさん主演の『ぐるりのこと。』 と、是枝裕和監督、阿部寛さん主演の『歩いても 歩いても』 。あとはタナダユキ監督、蒼井優さん主演の『百万円と苦虫女』も甘酸っぱくドキドキしました。どれも、試写会場がすぐに満席になってしまう人気作品。公開はもう少し先になりますが、このあたりもマークしておいて損なし!です。
『たみおのしあわせ』
監督:岩松了
出演:オダギリ ジョー、原田芳雄、麻生久美子
7月シネスイッチ銀座ほか、全国順次公開
|