妄想力で女の幸せは手に入るもの!? 『エンジェル』 [2007年12月02日(日)]
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今日ご紹介するのは『エンジェル』。
![]() 貧しい家庭に育ちながら、自らが書いた小説でセレブの座を勝ち取り、愛する人を手に入れたイギリスの女流作家・エンジェルの人生を描いたストーリーです。これだけを読むと、テレビドラマにありそうな、けなげにがんばるヒロインを想像しそうですが、エンジェルはかなり変わったヒロイン。妄想力で人生を切り開いていくのです。 自分の生い立ちや、知識のなさ、といったマイナスの部分は見せず、認めず、自分がこうありたい、こうあって当然、という妄想だけを信じて突き進む。女流作家としてデビューしたことをきっかけに、彼女の夢は次々に実現していきます。 観ていてなかなか共感しにくいキャラだし、生意気で謙虚さのカケラもない態度には、イラッとくる。でも全然飽きさせないのは、こういう女のヒトって結局気になるからかも。欲しいものがあったら、分相応かどうか、周りがどう思うかなんて考えずに、パッと手を出す感じ。潔いのです。 たとえ妄想でも、守りより攻めていくほうが人生面白いはず。憎たらしいけど、エンジェルってある意味女の人生の理想かも、なんて思い始めると、ラストに向かって、かなりビターな展開が待っています。そのビターの加減が、なんとも意地が悪く、思わず深いため息。女の人生って、何が幸せなのかしらと考えさせられました。 監督は、『まぼろし』『8人の女たち』のフランソワ・オゾン監督。イギリスの女流作家、エリザベス・テイラーの原作小説を読んで、エンジェルに夢中になったことがこの作品を撮るきっかけになったのだそう。 エンジェルを演じているのはロモーラ・ガライ。生意気だけど純粋なエンジェルを魅力的に演じていました。前にもちょっと書きましたが、彼女はウディ・アレン監督の『タロットカード殺人事件』では、小さい役ですがエンジェルとは間逆の「上流階級のお嬢様」を演じていたんですよね。そのときは、全く雰囲気が違っていたように思います。 ![]() オゾン作品のミューズ、シャーロット・ランプリングも出演しています。彼女の役は、エンジェルをデビューに導いた編集者の妻。いかにも知的でセンスがよい彼女が傍若無人なエンジェルを最初は見下し軽蔑しながらも、徐々に惹かれて認めていくところは、オゾン監督の前作『スイミング・プール』の役とかなり重なる部分が。この2作品は同じテーマを扱っている部分があるのだそうです。言われてみると確かに2人の女性の関係性とか、現実と虚構の境目とか、似ているかも…。気になる方は、ぜひ比べてみてください。 『エンジェル』 監督・脚本:フランソワ・オゾン 主演:ロモーラ・ガライ、サム・ニール、シャーロット・ランプリング 12月8日より日比谷シャンテ シネ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー |





