MOVIE HUNETER

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『ブラインドサイト』 [2007年07月26日(木)]
 
今回ご紹介するのは『ブラインドサイト』。
目の見えない子どもたちが、エベレストを目指すというドキュメンタリーです。



昔からチベットでは、盲目の人は悪魔に取り憑かれていると考えられ、ひどい差別を受けてきました。
盲目のドイツ人女性のサブリエ・テンバーケンは、9年前にチベットに渡り、チベット初の盲人のための学校を設立します。

数年後、サブリエは、子どもたちを勇気づけるために、アメリカ人の登山家、エリックを学校に招きます。エリックは盲人として初めてエベレスト登頂に成功した登山家。彼は、子どもたちに登山を勧め、サブリエと子どもたちは、エリックとともにエベレストの北側にある、標高7000メートルの山、ラクパリを目指すことになるのです。

いきなりエベレスト登山とは大胆な…、と思いますよね?

母国ドイツで「盲目は障害ではなく個性だ」と教えられて育ったサブリエは、盲目だという理由で、自分から行動範囲を狭くするような考え方を子どもたちに持ってほしくなかった。エベレストは、チベット人にとっては、自国の中にあるとても身近な存在であり、みんながいつかは登ってみたいと考える山。だからこそ、チベットの盲目の子どもたちが挑戦することに、意味があると考えたのです。

実際に登ったのは、選ばれた6人の子どもたち。
ロッククライミングなどのハードなトレーニングを積んでいるシーンや、ステッキを使いながら実際に山に登っているシーン。
どうして目が見えないのに、こんなことができるの? と、思わずうなってしまいます。

観終わって心に残るのは、盲目の子どもたちのがんばる姿だけじゃない。
同じ目標をもって山頂を目指していたメンバーが、状況が厳しく過酷になっていく中で、それぞれの「山に登る」意味の違いを知ることになる。その葛藤が、そのまま描かれています。


『ブラインドサイト 〜小さな登山者たち〜』
監督:ルーシー・ウォーカー
出演:サブリエ・テンバーケン、エリック・ヴァイエンマイヤー、ソナム・ブムツォ、ゲンゼン、ダチャン、キーラ、テンジン、タシ
シネマライズ、品川プリンスシネマ他、全国公開中

甘酸っぱくてなつかしい! 『天然コケッコー』 [2007年07月24日(火)]
 
今回ご紹介するのは、『天然コケッコー』。
くらもちふさこさんのコミックが原作です。

(C) 2007「天然コケッコー」製作委員会

映画の舞台は、豊かな自然が残る田舎町。小中学生あわせても、生徒がたった6人しかいない分校に、東京から大沢広海という中学2年の男の子が転校してくる。
同じ中学2年の右田そよは、初めて同級生ができたことに喜ぶけれど、クールでちょっと意地悪な大沢君に、なかなか近づくことができない。でも、しだいにお互いのことが気になりだして…、という、甘酸っぱい初恋物語。

さわやかでかわいいけれど、ちょっとがんこな姉キャラ気質のそよちゃん役を、夏帆ちゃんが上手く演じています。方言丸出しのセリフも、夏帆ちゃんが言うと、なんだかかわいくって、マネしたくなる。
大沢君を演じる岡田将生くんも、クールだけどやさしい大沢君役にぴったり。あんなイケメンが転校してくるなんて、本当にそよちゃんがうらやましい。

2人の恋が軸にはなっているけれど、ほかの子どもたちや近所の人たちのやりとりも、いきいきとして魅力的。
同じ中学生の、そよちゃんと伊吹ちゃん、篤子ちゃんの3人の関係は、気を許しているだけに、きついことを言い合ったりするところがリアルで面白い。
歳の近い大沢君が転校してきたことで、やっとバレンタインに渡す相手ができたと、みんなでチョコレートを買いに行ってはしゃぐ、なんてエピソードも、いかにも中学生女子って感じがかわいいのです。

島根県で撮影されたという、田んぼや山、海の風景もこの作品の魅力。夏休みに田舎に帰る、といった経験がない人でも、不思議となつかしさを感じるような気がします。

映画の世界にすっかり魅了されてしまって、観終わってすぐ、原作コミックを買いに走ったのですが、これがまた、いいのです。
先が気になるけど、読み終えるのがもったいないような…
そんな作品でした。

映画の公開は今週末です。


『天然コケッコー』
原作:くらもちふさこ
脚本:渡辺あや
監督:山下敦弘
出演:夏帆、岡田将生、柳英里沙、藤村聖子、夏川結衣、佐藤浩一
7月28日より、シネスイッチ銀座、渋谷シネ・アミューズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

『イタリア的、恋愛マニュアル』 [2007年07月20日(金)]
 
今日は、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の公開日でしたね。
事前に試写会に行けなかったので、内容についてはコメントできないのですが、先月末、ダニエル・ラドクリフ君が来日したときの記者会見の写真がありますので、そちらをご紹介します。

プロデューサーのデイビッド・ヘイマンと。
ハリーもすっかりオトナ。でも、キスシーンについて、あれこれ質問されても、
誠実に答えていたところが、相変わらず好感度大!


これだけスターになっても、品の良さと、謙虚さをキープしているところがエラい! 
もう、ハリーも大人になっちゃったし、毎回観ることもないかなー、なんて思っても、
彼を見ると「やっぱり応援しなきゃ!」という気になる。
あと2作、がんばってもらいたいですよねー。
その前にこの作品も観に行かなくては、ですけど。

☆----☆----☆----☆----☆----

で、今日ご紹介するは『イタリア的、恋愛マニュアル』。
現在公開中の作品です。

(c)2005 Filmauro S.r.l.

イタリア的恋愛、といっても、いわゆる「艶女(アデージョ)」や「艶男(アデオス)」みたいな、ムンムンした人たちの話ではなく、この映画に出てくるのは(特に男性は)、むしろ冴えない感じの人たち。
だから、すごく親近感が湧きました。

話の展開も、ロマンティックというよりは、自分の周りにもふつうにありそうな、リアルな恋愛のエピソードを面白おかしく演出しているので、ラブストーリーなのですが、思わず笑ってしまうシーンの連続。

内容は「出会い」「倦怠」「浮気」「別離」をテーマにした4つのストーリーで構成されています。
どの話も面白かったのですが、最初の話がかなりのインパクト。
失業中の青年が、街で見かけた美女にアプローチするのですが、その、なりふりかまわぬパワーがすごい!

最初は「無理無理! ありえない」と思って観ていても
だんだん「そこまでするなら、応援するか」という気になる。
恋愛って「なりふりかまわなさ」が結構重要だったりするのかも…なんて、しみじみしていると、次の話が「倦怠」。
「出会い」のラストシーンから「倦怠」への話の移し方がまた絶妙で、「そうは言っても、なりふりかまわず、なんてアツくなれるのは最初だけなんだわ!」なんて、一気にこちらの気持ちまで倦怠ムードになってくる。

と、そんな感じで、ラストまで話がうまーくつながっていて、本当に楽しめました。
イタリアでは大ヒットを記録して、続編ができることが決まったそう。
日本でも公開するといいなあ。

この作品、デートでもいいけれど、
観た後に「男って…」、「女って…」、みたいな話になりそう。
だったら女ともだちと、恋バナの材料にするほうが楽しいかも。

『イタリア的、恋愛マニュアル』
監督・原案・脚本:ジョヴァンニ・ヴェロネージ
出演:シルヴィオ・ムッチーノ、ジャスミン・トリンカ、マルゲリータ・ブイ、セルジョ・ルビーニ
シネスイッチ銀座・川崎チネチッタほかにて公開中

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今日は、『オフサイド・ガールズ』という9月公開のイランの映画の試写にも行きました。
これが、すっごくよかったんですよ!
詳しいご紹介はまたあらためて。

音と映像に大満足!のオペラ映画 [2007年07月18日(水)]
 
ちょっと時間が空いてしまいましたが、第2回目です。
今日ご紹介する映画は、『魔笛』。
先週末に公開されましたね。

(c)THE PETER MOORES FOUNDATION-2006

モーツァルトのオペラ『魔笛』を映画化したもので
全編、ほぼ歌と音楽。
それを知らずに観ると、ずーっとキャストが歌ってるので
「なにこれ?」ってことになりそうですが
字幕を読む、という部分ではほかの洋画と変わらないので、
歌詞が聞き取れなくて話についていけない、なんてことはないはずです。

冒頭、「ジャーン、ジャーン…」といきなり大音量で序曲が始まり、目の前にバーンと広がる大草原の映像と、そこに突如現れる、どこまでも続く塹壕。
テンポよく展開していくカメラワークで、一気にその世界に引き込まれます。
全編にわたってCG映像をふんだんに使っているので、
オペラの舞台上では不可能な、スペクタクルなシーンも幻想的なシーンも盛りだくさん。
これは、映画版ならではの魅力です。

モーツァルトのオリジナルでは、神殿や大蛇が登場する神話的な世界を描いているのに対し、
この作品は第一次世界大戦中に時代設定を変えています。
どちらも、表向きは壮大なラブストーリーですが、
裏にこめられたメッセージについては、昔からさまざまな解釈があるのだそう。
この作品でも、意味深なシーンが随所にあるので、
『魔笛』の知識があると、さらに楽しめると思います。

メインで出ているキャストはみな第一線で活躍中のオペラ歌手。なかでも注目なのは、暗黒卿ザラストロ役のルネ・パーペ。
歌手として、彼の声に魅力があることはもちろんですが、
そのたたずまいにも強いオーラがあって、役者としても魅力的なんです。
この人が画面に登場すると、もう目が離せなくなる。
特に美形とかセクシーというわけでもないんですけどね。

ルネ・パーペは、資料によると、世界屈指のバス歌手で、
特に、オペラ『魔笛』のザラストロ役は彼の当たり役なのだそう。
今年の10月、ベルリン国立歌劇場の来日公演の際に
オペラ『トリスタンとイゾルデ』に出るらしいと知って
さっそくチケットをチェックしてみましたが
オペラは映画のように1800円というわけにはいかず…。
勢いで買うには高すぎて、手が止まりました。うーん、悩ましい。

そう考えると、本格的なオペラをスクリーンで観られるのって、
かなり、おトクなことですよね。

オペラに行くのは、かなり特別なイベントになりますが
オペラ映画なら、ずっと気軽。
デートにもオススメです。

『魔笛』
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
監督・脚本:ケネス・ブラナー
音楽監督・指揮:ジェイムズ・コン ロン
演奏:ヨーロッパ室内楽管弦楽団
出演:ルネ・パーペ、リューボフ・ペトロヴァ、ジョセフ・カイザー、エイミー・カーソン、
日比谷シャンテシネ、テアトルタイムズスクエア他にて公開中



はじめまして [2007年07月12日(木)]
 
今日から映画ブログを担当します。
どうぞよろしくお願いいたします!

このブログでは、私、ミヤモトが「ムービーハンター」となって
数ある公開映画の中から「これは!」と思う1本を毎回ご紹介していきたいと思います。
何を観ようかな〜と迷ったときに、読んでいただけたらうれしいです。


さて、今回ご紹介するのは『傷だらけの男たち』

(C)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.


先週末から公開されていますが
『インファナル・アフェア』製作チームによる最新作です。

みなさん、『インファナル・アフェア』シリーズは観ましたか?
警察とマフィアがそれぞれ相手にスパイを送り込む話で、
スリリング&泣ける映画といえばコレ!ってくらい、衝撃的な作品でした。
レオナルド・ディカプリオ主演でリメイクされた『ディパーティッド』が、アカデミー賞で4部門受賞、というのも話題になりましたね。

で、『傷だらけの男たち』ですが
主演はトニー・レオンと金城武。
トニー・レオンは今回、初の悪役に挑戦しています。
今回も警察の話は出てきますが、『インファナル…』とはまったく別モノ。
女性たちの存在がキーになってくるので
ハードボイルドというよりは、ラブ&サスペンス。
タイトル通り、男たちの「傷」が切なくて、グッときちゃうのです。

映画の中で、金城武演じる刑事は、
恋人を亡くしたショックから立ち直れずに、
酒びたりの生活をおくるのですが、実はこの撮影中、
本当に酔っ払って演技をしていたのだそう。
というのは、公開前の来日記者会見で聞いたエピソード。
飲み足りないと嘘っぽいし、飲み過ぎると芝居にならないから、苦労したそうです。

記者会見で「撮影中は現場に着くとまず『酒を飲んでおけ』と監督に言われた」と
コメントする金城さん。「でも、酔っぱらいの演技に自信がつきました(笑)」とも。


劇場で、「これ酔ってる? それとも演技?」って、チェックしてみてください。


『傷だらけの男たち』
監督:アンドリュー・ラウ
出演:トニー・レオン、金城武、スー・チー、シュー・ジンレイ
みゆき座ほか全国公開中

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今日は、映画祭の情報も少々。
週末、14日(土)から20日(金)まで、渋谷で
ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が開催されます。

今年で29年目という歴史ある映画祭で、若手監督の登竜門的な存在。
『かもめ食堂』の荻上直子監督や、『眉山』の犬童一心監督など
いまの日本映画を代表する監督さんたちは、
ここで受賞している方が多いんですよね。

コンペティション部門を見ると、メインは20代前半の若い監督たち。 
作品の解説を読むと「消費社会」「フリーター」と、
社会問題を扱っているようなものが多くて、
どんな切り口で描いているのか、すごく気になります。
上映前には、監督のコメントや質疑応答もあって、
映画好きな人たちが集う、熱気あふれる雰囲気も、いいですよ。

期間中は、ロバート・アルトマン監督の1970年代の作品を集めて上映する企画もあり。
日本未公開作品もある、貴重なチャンスです。

プロフィール
プロフィール
ミヤモトヒロミ。ライター。映画やカルチャー関連の記事をウェブサイトや女性誌などで執筆。
号泣モノから爆笑ストーリー、胸キュン恋愛ものまで、忙しくても絶対劇場で観たい!と思える映画を厳選してご紹介します!
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