MOVIE HUNETER

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音楽の力に心を動かされる映画『onceダブリンの街角で』 [2007年10月28日(日)]
 
東京国際映画祭もいよいよ最終日。オープニングをご紹介したまま、ずっとレポートできずにおりましたが、これから公開される作品の関連イベントに行ってきたので、ご紹介します。

11月に公開される『onceダブリンの街角で』の主演2人によるライブが26日にありました。この映画、アイルランドのダブリンでストリートミュージシャンをしている主人公がチェコからの移民の女性に街角で出会って、音楽を通して心を通わせる、という話。言葉にすると、さらっと説明できちゃいますが、2人が歌う曲がとにかく良いのです!

こちらがライブの様子。ギターを弾いているグレン・ハンサードさんはアイリッシュ・ロックバンド「ザ・フレイムス」のフロントマン。ピアノはチェコ生まれのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァさん。2人とも、声がいいんですよー。

ライブ後のトークでわかった事実。
映画の中で彼が弾いているギターがボロボロで、それが役を説明する小道具にもなっていたのですが、実はグレンさんの私物であることが判明。しかも、今も現役で使ってるんだそう。穴が開いてるのに! 聞けば「18年間使い続けている」のだそう。映画のために用意して汚したものじゃなかったことにまずびっくり。
しかもそれが日本製のギター「Takamine」だということで、会場では、メーカーの社長さんからのサプライズ贈呈式も。グレンさん、相当驚き&感激してました。

写真右側の社長さんが手に持っているのが、グレンさんの穴のあいたギター。映画でもバッチリ使われてます。

この映画はいかにも低予算の作品という感じで、凝った演出などは特にないのですが、主役の2人の曲がストーリーにぴったりで、要所要所でジーンと胸に響くのです。映画の中でもそうですが、最初は彼らの曲に何の興味も持っていない人たちが、自然と身を乗り出して聴くようになる。それが映画を観ているこちらにも起こる。ストーリー展開も気になるけれど、早く次の曲歌ってくれないかなぁ〜と思うんですよね。

監督も、元ミュージシャン。音楽へのリスペクトが強く、シーンを盛り上げるための効果音的な曲は一切なし。音楽は脇役ではなくメイン、ということで、曲が入るシーンではフルできちんと聴かせるというスタンスが徹底されています。
取材で聞いたエピソードですが、監督はふだん外出するときも、音楽を聴いていたら(それがラジオだったとしても)、曲が終わるまでは家を出ないんだそう。それって自分のパートナーだったらかなり厄介かも?ですが、ちょっと素敵なこだわり方だなあと思いました。

記者会見で。仲むつまじいおふたり。2人も映画のように、音楽が縁で知り合ったのだそう。

そんな、音楽に徹底的なリスペクトを持つ監督と、穴空きギターを弾き続ける俳優さんが作った映画ですから。音楽の力がダイレクトに伝わってくるはずです。

『once ダブリンの街角で』
監督・脚本:ジョン・カーニー
出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ
11月3日より 渋谷シネ・アミューズほか全国順次ロードショー

超豪華な女優陣にうっとり。第20回 東京国際映画祭 華やかに開幕! [2007年10月20日(土)]
 
アジア最大の映画祭「東京国際映画祭」が本日開幕。28日まで、六本木ヒルズと渋谷区のBunkamuraを主会場に開催され、新旧300本以上の作品が公開されます。
今日はオープニングセレモニーに行ってきましたが、見どころは、六本木ヒルズのけやき坂から200メートルにわたって敷かれたレッドカーペットを歩く華やかなゲストのみなさん。
これだけ豪華な俳優さん、女優さんたちが公の場所に登場するチャンスもないので、報道陣の数も軽く500人は越えていたと思われ、警備員さんもハンパではない数。カメラを構えながら「おおーっ。次は誰? 次は?」とこちらもかなり興奮気味でした。

それでは、女優さんたちの気になるドレス姿をいくつかご紹介。
写真左から、今年20回目を迎える映画祭と同じく20歳ということで、開幕宣言をした長澤まさみさん。20歳らしく、ドレス姿も超フレッシュでしたー。続いてピンクの大人っぽーいドレスは、映画『アリア』の高橋マリ子さん。『ハブと拳骨』の宮アあおいさんはブラックドレスでシックに。


次は左から、『オリヲンザからの招待状』の宮沢りえさん。赤いスパンコールのドレスとキラキラの靴にクラシックなメイクがぴったり。『自虐の詩』の中谷美紀さんは、羽をふんだんに使ったドレス。歩くと裾がフワーッと舞って、とてもセクシーでした。『子猫の涙』の広末涼子さんは裾がふんわりバルーンになったドレスがキュート。


当たり前ですが、女優さんたちが登場するとステージがパーッと華やぐ。ホントにみなさんおキレイなのでした。

男優陣も素敵でしたが、代表して(?)会場を癒してくれた神木隆之介くんをご紹介。作品は『Little DJ 〜小さな恋の物語〜』右は福田麻由子ちゃんです。


最後に登場したのは、この映画祭のオープニング作品となる『ミッドナイト・イーグル』のキャストのみなさん。左から、藤竜也さん、竹内結子さん、佐原弘起くん、大沢たかおさん、玉木宏さん。


映画祭って、上映前の挨拶や関連イベントもたくさんあるし、なにより会場周辺からお祭りムードがあっていいですよね。
すでに前売りがソールドアウトになった人気作品でも、基本的には当日券があるということなので、チケットゲットのチャンスもありです!

『東京国際映画祭』
28日(日)まで

『ブレイブ ワン』でジョディ・フォスター来日 [2007年10月19日(金)]
 
来週末から公開される『ブレイブ ワン』のプロモーションで、ジョディ・フォスターが来日、記者会見に行ってきました。

左から製作のジョエル・シルバー、ジョディ・フォスター、監督のニール・ジョーダン

この映画、かなり衝撃的な内容です。婚約者を暴漢に殺された主人公エリカ(ジョディ・フォスター)が、恐怖心と復讐心から銃を手に殺人事件を起こしていくというもの。自分の目の前で幸せを奪われた者が銃に手を出す気持ちには共感できるものの、それって人としてはマズイわけで……。

(C) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

映画では、エリカが自分の行動について葛藤しているのがわかるし、事件が起きるまで、銃とは縁のない世界で、ごくふつうの生活を送っていた女性だけに、観ているほうも、自分にも起きるかも、起きたらどうする? なんてことをリアルに考えてしまいます。とはいえ、日本にいる限りは銃を手にするという選択は現実的ではない。そういう意味で、アメリカって本当に一般の人でも銃を買えてしまう社会なんだなあという怖さも感じました。

会見でも「アメリカの銃社会についてどう思うか」という質問が出ましたが、「政治的なコメントは控えているんだけど」とかわしながら、「銃を持つと、歩き方も目付きも変わる。自信を持てるという意味でプラスの面もあるけど、モンスターになってしまうマイナスの面もある。銃を手にして生きたいと願うことは、イコール、誰かの死を意味するということ」と、銃に対する持論についてコメントしていたジョディ。生きたいと願うことが誰かの死になる、というのは重い言葉。映画でもそういうシーンが登場します。

「エリカの行動は正しくないけれど、観客は、そうせざるを得ないという彼女の気持ちをなぞるから共感できる。それがこの映画の面白さ」というコメントも

そういえば、彼女の前作『フライトプラン』は、娘が消えてしまったことに苦悩して、怒って、闘う、みたいな役でしたよね。彼女には、何かに苦悩して、怒って、闘う役がしっくりくるような気がしています。これからもしっとりした役に落ち着かずに、「闘う作品」を作り続けてほしいです……。

で、『ブレイブ ワン』。心の葛藤を描いてドキドキする作品なんですけど、ラストの展開については、賛否両論ありそう。これには、オドロキました。ぜひ、劇場で確かめてみてくださいー。


『ブレイブ ワン』
監督:ニール・ジョーダン
製作:ジョエル・シルバーほか
出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード 
10月27日より サロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国ロードショー

登場人物すべてがダメ人間だけど、憎めない。センスバツグンのコメディ『ナルコ』 [2007年10月15日(月)]
 
今日ご紹介するのは『ナルコ』。タイトルの「ナルコ」というのは1000人に1人の発症率と言われる病気「ナルコレプシー」の略。どこにいても発作的に眠ってしまうというという病気のことで、主人公のギュスがこのナルコレプシーにかかっているという設定。

(C)2004 LES PRODUCTIONS DU TRÉSOR / STUDIOCANAL / TF1 FILMS PRODUCTION / M6 FILMS

どこでも眠れる病気なんて、うらやましい〜って思いますよね? でも、ギュスの眠りっぷりはハンパじゃない。仕事でドライブスルーの注文をとりながらバタッ、ディスコで踊りながらバタッ、女の子を口説きながらバタッ、と肝心なときに何の前触れもなく倒れこんで熟睡。悪いけど笑ってしまいます。深刻な病気のはずなのに、症状が眠ることだから同情するのが難しい。そのことが、映画の中でも問題になっていくんですけどね。

前半は、ギュスの生い立ちがメイン。ギュスがナルコレプシーにかかっていることだけでも特殊なのに、彼の家庭もかなり特殊。うんと年の離れた父親と2人暮らしなのですが、その父親というのが、フランク・シナトラと怠惰な生活とB級映画が好き、という超自由人。病気が発覚しても悲惨なムードになることなく、ギュスがすくすくとサブカル好きに育っていく、という設定が面白いのです。

中盤からは、ギュスが事件に巻き込まれ、一気にサスペンスのテイストに。キャラの濃い、悪い人たちがたくさん出てくるのですが、みんなどこか抜けている。その最たる人がギュスの親友で、世界一のカラテ家を目指し、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを心の師と仰ぐレニー。何をやっても暑苦しく空回りをして、そしてだらしがない。でもどこか愛すべきキャラクターです。

ギュスを演じているギョーム・カネは、フランスの演技派俳優で精悍なイメージがあったのですが、ぽっちゃりしてキュートなギュス役が意外にもぴったりでした。役のために10キロ体重増やしたそうですけど、このくらいぽっちゃり系のほうがイケてると個人的には思ってます。こういう癒し系のキャラをもっと演じてほしいなあ。

画面がカラフルでインテリアや音楽がポップで、話の展開も早い。えー、この先どうなっちゃうの? とドキドキする話なのに、サッと終わるところもよかった。いろんな要素を詰めこんで105分。この短さがセンスあり、と見ました。
デートにもぴったり。こういう、ちょっとばかばかしくてキュートな話って、観終わってから話が弾みそうでいいですね。

『ナルコ』
監督:トリスタン・オリエ、ジル・ルルーシュ
出演:ギョーム・カネ、ザブー・ブライトマン、ブノワ・ポールヴールド
10月20日(土)より、ユーロスペース、吉祥寺バウスシアター他にてロードショー



『人のセックスを笑うな』完成披露試写会 [2007年10月10日(水)]
 
このインパクトのあるタイトルは、山崎ナオコーラさんの原作小説から取られたもの。
昨日、完成披露試写会と舞台挨拶に行ってきました。
主演の永作博美さんと松山ケンイチさんのほかに、蒼井優さんと忍成修吾さんという豪華なキャスト。監督は、『犬猫』の井口奈己さんです。

左から、蒼井優さん、松山ケンイチさん、永作博美さん、忍成修吾さんと井口奈己監督

内容は、19歳の美大生のみるめが、ある日、絵のモデルにならないかと20歳年上の講師ユリに頼まれて、恋に落ちる。ところがユリには夫がいて……という話。みるめとユリを演じるのが松山さんと永作さんです。

永作さんが演じるユリは、子どもっぽい不思議キャラも見せつつ、大人の余裕でみるめを翻弄し、松山さん演じるみるめは、見事なまでにユリに恋して振り回される。『デスノート』のエルをはじめ、どんな役にも入り込んで演じ切ると評判の松山さんですが、今回は本気でユリに恋をしているようすがスクリーンから伝わってきました。

永作さんが、「井口監督はセリフが終わってもカットをかけないので、書かれていない先を演じなければいけなかった」とコメントしていましたが、ほんとうに、2人だけが共有している空気が感じられて、恋人どうしの実生活をのぞいているような気になってくる。甘ーいシーンも切ないシーンもテンコ盛りなのです。

舞台挨拶でも松山さんは「カメラの前にいることがただただ幸せでした。ものすごく入り込んだ役。いまでも永作さんに会って幸せな気分になっている」とコメントしてました。

本気でユリに恋をしたという松山さん。
こちらが照れるくらいに直球のコメント。


途中、永作さんのバースデーが近いからと花束を贈呈するシーンでは、いきなりひざまづいて捧げる松山さん。
いいなあー。あんなふうに惚れられてみたい、と女子なら誰もがキュンとくるはず。20歳年下、うーん、いいじゃないですか。

ひさまづいての贈呈シーンはシャッターチャンスを逃しちゃいました。ごめんなさいー。

公開は年明けのようで、まだけっこう先ですが、これは楽しみにしていて間違いなしでしょう!

『人のセックスを笑うな』
監督:井口奈己
出演:永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾
2008年1月19日よりシネセゾンほか全国ロードショー

『転々』三木聡監督にインタビュー [2007年10月04日(木)]
 
昨日になりますが、三木聡監督に取材をしました。
三木さんといえば、ドラマ『時効警察』のメイン脚本・監督としておなじみ。
時効になった事件を追う、という設定だけでも十分ヘンですが、セリフにも小道具にもちょっとずつおかしな要素が入っている。あの、独特の笑いのセンスは、ハマるとクセになりますね。

今回取材をしたのは、11月に公開される映画『転々』について。
この映画、借金取りに追われた大学8年生の青年が、借金をチャラにする条件として一緒に東京を散歩することを提案され、2人で東京を歩くという話。その設定だけでもおかしいですよね。
この2人を演じるのが、オダギリ ジョーさんと三浦友和さんなんです。
三浦友和さんが非常にいい味を出していらっしゃる。まず、後ろ髪が長い(!)。それだけでもかなりヘンですが、そこにデーンとした体型が合わさって、ちょっとジョン・トラボルタっぽい。

三浦友和さんとオダギリ ジョーさんの組み合わせ。これだけでも気になりますよね?

この映画には原作の小説があって、東京を散歩するというベースはそこから来ているのですが、三木さんご自身も「東京の散歩」には思い入れがあるようで、そのあたりのお話をいろいろうかがいました。三木さんの作品といえば小ネタの連続、ゆるゆる笑い、といった形容がされますけれど、その演出と撮影へのこだわりは、小さくもゆるくもなく、とても緻密に計算されていることもわかりました。そのうえで本当に、ばかばかしくてダメーな感じのものがお好きなんだなあということも。

東京のステキな風景が詰まっているロードムービーとしても楽しめるし、三木作品おなじみの笑いと、ホロリとするエピソードが散りばめられていて、いろんな楽しみ方ができる作品。散歩だけにテンポもスローなのがいい。

インタビューの記事のほうは、もう少しお待ちください。
作品の公開ももうちょっと先ですね。


『転々』
監督・脚本:三木聡
出演:オダギリ ジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子
11月10日よりアミューズCQN、テアトル新宿ほかにてロードショー

主演がブッシュ大統領!? 超問題作『大統領暗殺』 [2007年10月02日(火)]
 
この映画、タイトルの通り、ブッシュ大統領が暗殺されるという内容です。しかも、俳優を起用するのではなく、ブッシュ本人の映像に加工を加えて、あたかもドキュメンタリー映像のように撮られた作品。この宣伝用写真からして、ニュースサイトに載っていたら、絶対に信じてしまうくらいにリアル。かなり衝撃的ですよねー。

これが衝撃の暗殺シーン。映画だと知らなければ、絶対信じてしまう、決定的瞬間ですよね。

映画の内容は、今年の10月19日に、アメリカのシカゴで演説を終えた大統領が何者かの銃弾に倒れるという話。そして、その事件が国内にどんな影響を与えるのかが描かれていきます。

暗殺シーンはたしかに衝撃的。ただ、奇をてらったり、大統領に対する悪意から作られた映画ではないことが、観ているうちにわかってきます。もし、いまアメリカで大統領が暗殺されたら、大統領の周辺や政府はどう動くのか、メディアはどう伝えるのか、世論はどうなるのか、ということをシミュレーションして、そのひとつの例を説得力をもって観客に示している作品。実際、観終わって印象に残ったのは、ブッシュが殺されたということより、その後の顛末の怖さ。すごく説得力があって、実際にそういうことになるかもなあと思わされました。

ブッシュ大統領本人や家族に対しては、たしかに道徳に反したことをしているけれど、9.11以降のアメリカで「大統領」が殺されたらその後の世界はどう変わるか、ということをリアルに描くには、この方法は効果的だと思います。

この作品を撮ったのは、イギリス人のガブリエル・レンジ監督。アメリカでは上映館数が大幅に減らされ、日本でも当初のタイトル『ブッシュ暗殺』が映倫の指導で『大統領暗殺』に変更された問題作(でも『ブッシュ暗殺』というタイトルは、さすがに挑戦的すぎるような気がしますけど、どうなんでしょうか)、いよいよ今週末公開です。


『大統領暗殺』
監督・脚本・製作:ガブリエル・レンジ
出演:ジョージ・W・ブッシュ、ディック・チェイニー
10月6日より、シャンテ シネほか全国ロードショー

プロフィール
プロフィール
ミヤモトヒロミ。ライター。映画やカルチャー関連の記事をウェブサイトや女性誌などで執筆。
号泣モノから爆笑ストーリー、胸キュン恋愛ものまで、忙しくても絶対劇場で観たい!と思える映画を厳選してご紹介します!
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