ハチャメチャでノー天気でバカバカしくて、ノリノリの傑作ミュージカル。
とにかくこのミュージカル、大好きなんです。
いいミュージカルの一番の条件って、やっぱり“いい音楽”ですよね。
もちろん、そこに描かれているキャラクターを生き生きと見せることができて、かつ、曲を歌い奏でる役者も重要であることは確か。
演出だって、その作品のよさを見せる重要なファクターだし、美術セットも衣装も舞台を支えてくれる大切なものだし、それが物語の世界に引き込んでくれることも多い。
でも、やっぱりいいミュージカルを観たなーって時って、軽い高揚感に浮かされて曲がアタマの中をグルグル回っている状況で、そのミュージカルハイが気持ち良くて劇場に通っちゃうんだと思います。
まあ、そんな訳で、思わず口ずさんでしまうような軽快な音楽が満載の『プロデューサーズ』が、映画→舞台→映画と連鎖して大ヒットしたのも頷けるところ。
そこに、おバカ度ギリギリなゲイカップルや、どこか抜けてるナチ党の脚本家などなど、もう見ているだけで大爆笑のキャラクターたちが加わって、とにかくパワフルなんです。
そんな大ヒット作を、V6の井ノ原くんと長野くんが……
最初は、正直いって抵抗ありましたよ。
だって、プロデューサーズといったら太ったおじさんと色白の痩せ男のコンビ、というイメージなのに、二人ともスリムだし年齢だって二人とも若いし。
イメージと違う、と思ったこともあって初演は観てなかったんです。
でも、これが意外にもよかったんですよね。
もちろん、映画のネイサン・レインのような、見るからにうさん臭そうなマックスの雰囲気を井ノ原くんが出せるかといったらそれは無理。
でも、代わりにノリのいいお調子モノで、思い立ったら即実行の思慮の浅さと人当たりのよさで世の中を渡ってきた軽妙なマックス像が。
おばあちゃんたちに何だか妙に好かれてしまうのにも納得、できましたし。
なによりも、イノッチって本当に芸達者なんだな〜としみじみ感心させていただきました。
芝居も上手いし、驚いたのは歌も上手いんですよねー(知らなかったの?ってツッコミ来そうですけど)。
マックスが、牢獄でここに至るまでを回想するシーンがあるんですけれど、国際フォーラムのあの舞台のうえで、小さな牢獄のセットの中を縦横無尽に歌い踊り、笑わせてました。
あのときのマックスは、本当に本当に愛嬌たっぷりでかわいらしくて、ちょっとおバカで憎めない人物。
あのシーンは、ブロードウェイで観たときよりもおもしろかったな。なによりも日本語で見てるってのが大きかったのかも、だけど(笑)。
でも、たったひとりでもお客さんをノラせるのが上手なのは、さすがジャニーズ!
やっぱり、タダもんじゃありませんね。
一方の長野くんのレオは、不器用で融通が利かなそうな雰囲気は合ってました。
ひとつ難をいうなら、やっぱりイノッチに比べて迫力不足の感は否めないけど。
ただ、長野君のヘタレっぷり演技により、これまで観た『プロデューサーズ』のマンガっぽさより、もう少しリアルな物語に見えるという不思議な効果も。
出色は、といったら、藤木孝さん演じる演出家・ロジャーと、岡幸二郎さんの演じるその助手・カルメンというゲイカップルかな。
やりすぎなほどに、ふたりの演技がはじけていておもしろいのなんの。
カルメンは、ブロードウェイで観たときよりも間違いなくその存在感は光ってました。
ダンスも歌も抜群にうまくて、そのうえ笑わせる間が本当に上手!
ご本人もノリノリだったんじゃないかな〜? そんな空気が伝わってきました。
初演時に、取りざたされた彩輝なおさんのウーラも、今回初めて観たけれどよかったですよ。
キレイでチャーミングだけど、ちょっとおバカでノリがよくて純粋な、キュートなウーラは素敵でした。
なによりも、ビジュアルが美しい。細くて長い脚とか、白い肌とか、大きな瞳とか、遠目で見てもキレイ。
訳詞も思っていた以上に歌詞が音楽にのれていて、翻訳ミュージカル特有の違和感が少ないし、ぜひとも『プロデューサーズ』好きにも観て欲しいかな。
きっと、好きゆえに躊躇している方も多いと思うんですよね。
もちろん初見の方も。この作品のおもしろさは充分に伝わる出来映えだと思います。
東京公演は、2月17日(日)まで。
2月23日(土)〜28日(木)まで、大阪・シアターBRAVA!にて上演。
フジテレビのHP:
http://wwwz.fujitv.co.jp/events/stage/producers/index.html