昼も夜も芝居づけ

2008年02月
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井ノ原快彦 & 長野博・主演『プロデューサーズ』東京国際フォーラム ホールC [2008年02月05日(火)]
 
ハチャメチャでノー天気でバカバカしくて、ノリノリの傑作ミュージカル。
とにかくこのミュージカル、大好きなんです。

いいミュージカルの一番の条件って、やっぱり“いい音楽”ですよね。
もちろん、そこに描かれているキャラクターを生き生きと見せることができて、かつ、曲を歌い奏でる役者も重要であることは確か。
演出だって、その作品のよさを見せる重要なファクターだし、美術セットも衣装も舞台を支えてくれる大切なものだし、それが物語の世界に引き込んでくれることも多い。
でも、やっぱりいいミュージカルを観たなーって時って、軽い高揚感に浮かされて曲がアタマの中をグルグル回っている状況で、そのミュージカルハイが気持ち良くて劇場に通っちゃうんだと思います。

まあ、そんな訳で、思わず口ずさんでしまうような軽快な音楽が満載の『プロデューサーズ』が、映画→舞台→映画と連鎖して大ヒットしたのも頷けるところ。
そこに、おバカ度ギリギリなゲイカップルや、どこか抜けてるナチ党の脚本家などなど、もう見ているだけで大爆笑のキャラクターたちが加わって、とにかくパワフルなんです。

そんな大ヒット作を、V6の井ノ原くんと長野くんが……
最初は、正直いって抵抗ありましたよ。
だって、プロデューサーズといったら太ったおじさんと色白の痩せ男のコンビ、というイメージなのに、二人ともスリムだし年齢だって二人とも若いし。
イメージと違う、と思ったこともあって初演は観てなかったんです。

でも、これが意外にもよかったんですよね。
もちろん、映画のネイサン・レインのような、見るからにうさん臭そうなマックスの雰囲気を井ノ原くんが出せるかといったらそれは無理。
でも、代わりにノリのいいお調子モノで、思い立ったら即実行の思慮の浅さと人当たりのよさで世の中を渡ってきた軽妙なマックス像が。
おばあちゃんたちに何だか妙に好かれてしまうのにも納得、できましたし。
なによりも、イノッチって本当に芸達者なんだな〜としみじみ感心させていただきました。
芝居も上手いし、驚いたのは歌も上手いんですよねー(知らなかったの?ってツッコミ来そうですけど)。
マックスが、牢獄でここに至るまでを回想するシーンがあるんですけれど、国際フォーラムのあの舞台のうえで、小さな牢獄のセットの中を縦横無尽に歌い踊り、笑わせてました。
あのときのマックスは、本当に本当に愛嬌たっぷりでかわいらしくて、ちょっとおバカで憎めない人物。
あのシーンは、ブロードウェイで観たときよりもおもしろかったな。なによりも日本語で見てるってのが大きかったのかも、だけど(笑)。
でも、たったひとりでもお客さんをノラせるのが上手なのは、さすがジャニーズ!
やっぱり、タダもんじゃありませんね。

一方の長野くんのレオは、不器用で融通が利かなそうな雰囲気は合ってました。
ひとつ難をいうなら、やっぱりイノッチに比べて迫力不足の感は否めないけど。
ただ、長野君のヘタレっぷり演技により、これまで観た『プロデューサーズ』のマンガっぽさより、もう少しリアルな物語に見えるという不思議な効果も。

出色は、といったら、藤木孝さん演じる演出家・ロジャーと、岡幸二郎さんの演じるその助手・カルメンというゲイカップルかな。
やりすぎなほどに、ふたりの演技がはじけていておもしろいのなんの。
カルメンは、ブロードウェイで観たときよりも間違いなくその存在感は光ってました。
ダンスも歌も抜群にうまくて、そのうえ笑わせる間が本当に上手!
ご本人もノリノリだったんじゃないかな〜? そんな空気が伝わってきました。

初演時に、取りざたされた彩輝なおさんのウーラも、今回初めて観たけれどよかったですよ。
キレイでチャーミングだけど、ちょっとおバカでノリがよくて純粋な、キュートなウーラは素敵でした。
なによりも、ビジュアルが美しい。細くて長い脚とか、白い肌とか、大きな瞳とか、遠目で見てもキレイ。

訳詞も思っていた以上に歌詞が音楽にのれていて、翻訳ミュージカル特有の違和感が少ないし、ぜひとも『プロデューサーズ』好きにも観て欲しいかな。
きっと、好きゆえに躊躇している方も多いと思うんですよね。
もちろん初見の方も。この作品のおもしろさは充分に伝わる出来映えだと思います。

東京公演は、2月17日(日)まで。
2月23日(土)〜28日(木)まで、大阪・シアターBRAVA!にて上演。
フジテレビのHP:http://wwwz.fujitv.co.jp/events/stage/producers/index.html
五反田団・前田司郎さん、第52回岸田國士戯曲賞受賞 [2008年01月30日(水)]
 
発表から数日経ってしまいましたが、五反田団の前田司郎さんが岸田戯曲賞を受賞されましたね。
これまでにも何度かノミネートはされていたのですが、受賞は今回が初めて。
もしかしたら、ご本人自体も驚かれているかもしれませんね。

今回、受賞した戯曲は「生きてるものはいないのか」。
このお芝居についての感想は、以前のブログをご覧いただくとして……

前田さんの作品って、モラトリアムな世界を描いたものが多く、展開もゆるゆるとしているんですね。
なんというか、あちこちに思考が飛ぶ独り言のような雰囲気というか。
でも、じつは意外と恣意的にゆる〜い感じを演出しているんだと思います。
敢えて小劇場演劇的なゆるさを作品に入れ込んで、どこか俯瞰した目線で見ている感じ。
大劇場、じゃない小劇場での演劇でやる意味というものを持っているのかもしれませんねー。

そんな前田さんですが、今年は新国立劇場で白井晃さん演出で舞台が上演されるのもあるし、今回の岸田賞の受賞で活動もどんどん大きくなっていきそうな予感。
これまでドメスティックというか、マイノリティな芝居を作ってきた前田さんの作品が、こうやってメジャーになっていくことでどう変わってくるのか、楽しみでもあり、心配でもあり、興味津々。

とにもかくにも、前田さん受賞おめでとうございますー。
この勢いで、小説も三島賞、芥川賞、獲得しちゃってください。

前田司郎さんが主宰する五反田団のHP:http://www.uranus.dti.ne.jp/〜gotannda/
渋谷すばる&村上信五『未定壱』東京グローブ座 [2008年01月29日(火)]
 
関ジャニ∞の2人が、なんと8年がかりで温め続けていた企画、とのこと。
お芝居、というよりは、2人のコント集といった感じ。
構成協力として大堀光威さんが参加しておりましたが(大堀さんが出演した舞台のレビューはこちら)、基本的に作・演出・構成は2人がやっているとのこと。
おもには渋谷くんが主導して作っていったようですね。

もちろん、客席の大半は彼らのファンですから、彼らの一挙手一投足に歓声が上がるし、笑いも出る。
でも、それをすべて見越した上で、かなり恣意的に作られている感がありました。
ただただふたりが楽しーい、というだけじゃなくて、ファンを喜ばせるツボを知っていて盛り込んでいるんですよねー。
ふたりとも、何気ない感じを装っていながら、結構な策士です(笑)。

内容全部をここに載せちゃうと、たぶん楽しめない作品だと思うので敢えて書きませんが……
個人的には、冒頭の楽屋シーンでの2人のやりとりがよかった。
互いに互いの携帯にかかってきた電話に牽制し合う場面とか、舞台のクオリティを上げようと必死に話し合いしたがるすばるくんと、「いまのままでええんちゃう」と受け流す村上くん。
きっと普段の2人もこんな感じなんだろうなー。
本当にバックステージを覗いているようで、楽しかったです。

笑いながらも意外に感動作品でもあり、客席に下りて客いじりをする場面あり、毎日即興で作るコントあり、結構内容満載でした。
エンディングが終わってからも、挨拶に出てきた2人のトークでおよそ数十分。
こちらの内容は、といえば、私が行った日は、いま都内でホテル生活を送っている2人がよく行く近くの喫茶店の話題。
喫茶店にいる間に、お腹の調子が悪くなり、トイレに行きたいけど行けないすばるくんの逡巡と、諦めてホテルに戻ろうと店を出たところで、笑顔で立っている村上くんのノー天気さぶりが見えるようでクスクス。
フリートークがおもしろいアイドルは、やっぱり強いですねぇ。

舞台はフリートークを含めて約3時間ですが、ロビーで、2人がこのために制作した映像を流していたりと、かなりサービス心旺盛。
こういうサービス精神は、見習うべきところがあると思います。

東京グローブ座での公演は、2月3日(日)まで。
当日券があるようです(抽選みたいですが)
大阪公演は、2月9日(土)〜15日(金)まで、シアタードラマシティにて。
『大相撲 平成二十年一月場所』国技館 [2008年01月28日(月)]
 
ヒール役、朝青龍の久々の登場とあって、やたらと盛り上がった今場所。
なんと東西両横綱の相星直接対決で盛り上がる、千秋楽の国技館を見てまいりました。


↑ちなみに、横綱決戦となった結びの一番の懸賞は46本! 取組前に懸賞幕を持った人々が土俵の周りを回るのですが、なんと3巡してました。その数の多さだけで、国技館中が湧いてましたー。

チケットどうしたの?なんて、あちこちから聞かれたんですが、もちろん並んで取ったんですよ。
とはいえ、私が、というよりも、私の友人が、なんですが。
チケットを購入するための整理券の配付日に早朝から国技館に並び、その翌日、整理券を持って再び国技館に並ぶ、という2段構え。
こりゃ、普通のお仕事をしている人にしてみたら、かなり労苦の多いチケット取りですよね。
もちろん、チケットぴあなんかでも販売はしているんですが、千秋楽の枡席を取ろうと思ったら、やっぱり国技館に並ぶ、もしくはお茶屋にお願いするか、の2通りしかないようです。

その友人のお陰で、ここ最近は東京場所の時にはほぼ毎場所国技館に赴いている訳ですが、とはいえ相撲に関してはまったくのド素人。
力士の名前と顔の大半は一致しないという、ていたらくの私。
でも、なんだか国技館って妙に楽しいんですよね。

もちろん国技館のなかの売店には相撲グッズがたくさん並んでいるし、お弁当やお酒、おつまみなどもいろいろ並んでおります。
とくにお弁当に関しては、『土佐ノ海弁当』や『朝青龍弁当』など、力士がプロデュースしたものが何種類も。
これ、基本的にはその力士の出身地の名物や好物などが入っているので、それぞれのお弁当から、力士の食べ物の好みがわかったりしておもしろい。
そんなお弁当をつまみつつ、ビールなんかもぐびっとやりながら相撲観戦なんて、まるで芝居見物さながら(笑)。

それ以上にお芝居と共通するのは、やっぱり生の迫力です。
はっきり言って、テレビで相撲中継を観るほど相撲好きかと聞かれれば、ちょっと返事に詰まってしまう私ですが、それでも目の前でお相撲さん達がぶつかり合う姿を見ると、やっぱり高揚するんです。

呼出さんに四股名を呼ばれ、土俵に上がると、力士の集中力がぐっと上がるのを肌で感じます。
土俵に上がってすぐに取組が始まるわけではなく、ここから立合いの呼吸が合うまで、何度か塩を撒いたりするんですけれど、この間の緊迫感といったら半端じゃないんです。
これこそ、生じゃないとわからない空気というか、土俵を中心に国技館全体がぐっと集中する感じ。
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堂本光一 主演『Endless SHOCK』帝国劇場 [2008年01月26日(土)]
 
日本一チケットが取れない舞台ですが、運よく人から譲ってもらうことになり、行ってまいりました。
いや〜見所満載の満腹エンタテインメント。
舞台を見慣れていない人も、光一君ファンどころかジャニーズファンでなくとも充分に満足できる内容になっており、なかなかに楽しませていただきました。

↑これは、入場前の帝劇。この列! いつもの帝劇とは何だか雰囲気が違います。

とにかく凄いのが、目まぐるしいくらいに次々と飛び出すさまざまな仕掛け。
いまやすっかり恒例となっているフライングがもちろんあるのですが、これだけでも見応え抜群。
1本のロープを軸にクルクルと回るものがあれば、天井から釣られた布に腕を巻き付けてフライングするものあり、2階席に飛び込む演出あれば、天井から下がる4つのハシゴを飛び回る演出あり……etc
これ、全部やるんだから、堂本光一くんも大変だろうなぁ〜などと他人事のように感心しきり。

このほかにもド派手な殺陣シーン、迫力満点の階段落ち、『ブラスト』などに出演している石川直樹さんを迎えてのパーカッション合戦、歌舞伎さながらのぶっ返り(衣装が一瞬にして変わる演出のこと)。
スーパー歌舞伎に負けじと劣らないケレンの演出が盛りだくさんで、3時間25分(休憩30分込み)全然飽きることがないの。
ダンスもジャポネスク、スパニッシュ、タップにヒップホップ、いろんな要素が取り入れられていて、驚きを通り越して呆れるほどにサービス精神いっぱい。
スーパー歌舞伎でなければ、宝塚レビューの豪華版、という感じ。

ストーリーの中で、劇場オーナーのオオクラ(大倉忠義)が「あんな演出、こんな演出、とにかくお金がかかるんだよ」(←これ、かなりうろ覚え)とか言うセリフがあるのですが、まさにそうなんだろうなぁ。
セットも照明も演出効果も、惜しみなく使われているからね。
それもこれも、光一君のこの作品への強いこだわりがあるから、なんだとか。
ここまでやるには、多分さまざまなエンターテインメントを観て研究しているんだと思います。
純粋にすごいなぁ〜、と。
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蜷川幸雄演出 平幹二朗・主演『リア王』さいたま芸術劇場 [2008年01月26日(土)]
 
重苦しかった。感動した。いろんなことを考えさせられた。
正直、シェイクスピアの書く戯曲のよさ、そのおもしろさを本当の意味で知ることのできた舞台かもしれない、とも思う。

とにかく、リア王の平幹二朗さんが素晴らしい。
シェイクスピアってセリフが詩のようで、とくにこの作品はドラマティックゆえに、役の感情以上に気持ちをのせて朗々と謳い上げてしまう役者も多い。
しかし、平さんは極力抑え目に抑え目に、静かなトーンで王の哀しみや怒り、絶望を嘆く。
激しく狂乱するのではなく、心が押しつぶされて狂気と正気のあわいをゆらゆらと彷徨うリアは、強大な権力を振るった王ではなく、弱った憐れな老人だ。
昔、大学の授業でこの戯曲を読んだ時には、真実を見る目を持たずに目に見えるもの、耳に聞こえるものだけしか信じない老王の転落人生の物語のように感じたけれど、今作では“老い”を深く意識させられた。
祇園精舎ではないけれど、どんなに栄華を誇った者であっても人は必ず老い、弱き者へと変わってゆく。
盛者必衰といわれるけれど、時の流れの前に権力も金も地位も何の役にも立たず、ただ受入れていくしかない人間の背負った運命が老いなんだな、と。
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香川県・金丸座に行ってきました [2008年01月23日(水)]
 
突然ですが、芝居も観ずに四国に行ってきましたー。

四国というとなんとなく温かいイメージがあったのですが、
これがまた、天気が悪くて……寒かった。

ちなみに、写真はピンボケですが金刀比羅宮。
現在、『金刀比羅宮 書院の美 〜 応挙・若冲・岸岱から田窪まで〜』展が開催されており、普段は非公開の奥書院まで入ることが可能とあって大興奮。
円山応挙が襖絵を描いた「鶴之間」「虎之間」「七賢之間」「上段之間」「山水之間」、伊藤若冲が手がけた「花丸図」など、実際に室内に入って拝見することができました。
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森田剛・主演 劇団☆新感線プロデュース『いのうえ歌舞伎☆號 IZO』青山劇場 [2008年01月19日(土)]
 
演出家のいのうえひでのりさんが、『荒神〜Arajinn〜』に主演したV6の森田剛さんありきで企画したのが今作。
森田剛さんって、いつもどこかあやうげな雰囲気というか、どこかいまの自分に満足しきれない雰囲気を感じさせる人。
いのうえさんの言葉を借りれば「居心地が悪そう」というか「自分の居場所を探している感じ」。そうそう、なんだか所在なげなんですよね。

そんな森田さんが纏っている空気と岡田以蔵という幕末の実在の人物とがシンクロして、なんだか妙に哀しくて切ない舞台でした。

正直、劇団☆新感線らしい壮大さを感じさせるエンターテインメントを期待している人は、ちょっと肩透かしを食うかもしれません。
間違いなく、今回の作品は、新感線の見せ場でもあるチャンバラも音楽も演出の味付けにすぎない、まさにこれは人間ドラマ。

今回、脚本をグリングの青木豪さんが手がけているというのが大きいんでしょうね。
青木さんは、日常のなかで起こる小さな事件から、人間の心の機微を丁寧に丁寧に描く人。
座付き作家である中島かずきさんが描くような、いわゆる新感線的な盛り上げ方や、新感線的美徳に溢れたキメセリフとは違う。気持ちが溢れに溢れて吐露される心の叫びに近い。
今回の岡田以蔵という題材には、そういう青木さんらしい言葉がぴったりとハマって心に響きました。
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鹿賀丈史・市村正親出演『ペテン師と詐欺師』日生劇場 [2008年01月15日(火)]
 
鹿賀さんと市村さんという、ミュージカル界を支えてきた大御所二人の顔合わせです。
じつは今回が再演になるんですが、前回見損ねてしまい、これが初観劇でした。
元ネタはといえば、もう15年くらい前になるんでしょうが(調べてみたら公開は1989年でした)、スティーブ・マーチンとマイケル・ケインの同名映画。
高校生の時に映画館で観て、軽快に展開していくストーリーとキャラクターの魅力に笑い、その後、中古でビデオまで買って持っていたりして。

そんなこんなの作品だけに、鹿賀さんと市村さんという絶妙なキャスティングに、初演時はうなったものです(笑)。


鹿賀さんは、マイケル・ケインのやった優雅な物腰でお金持ちを装い、有閑マダムたちからお金を騙しとる結婚詐欺師・ローレンス。
市村さんは、スティーブ・マーチンが演じた、口のうまさで人を騙して小銭をせしめるペテン師・フレディ。
軽妙で小粋でちょっと単純で、どこか可愛らしさのある二人は、鹿賀さんと市村さんのキャラクターにぴったり。
そんなふたりの丁々発止のやりとりを、このキャストが繰り広げるというだけで楽しめる舞台でした。

今回、ふたりの間に入って奮闘するクリスティン・コルゲート役はソニンさん。
じつは『スイニートッド』で観たソニンさんが、どうも苦手だったこともあり心配していたのですが、それがなかなかに好演。
ただ、おふたりとソニンさんの年齢が開き過ぎていて、LOVEの匂いがいまいち漂ってこないのが残念でしたが。彼女の持っている、肚の座った落ち着きっぷりと、同時に持っているキャピキャピ感とが役に上手に活かされていて、可愛らしいクリスティンだったと思います。
歌舞伎座百二十年『寿 初春大歌舞伎』夜の部 [2008年01月10日(木)]
 
「新年には歌舞伎」という方が多いのか、今月は演舞場や国立劇場、浅草公会堂、大阪松竹座と、各地で歌舞伎興行花盛りであります。
そんななかでも、やっぱり一番賑わうのは歌舞伎座です。
着物でいらっしゃるお客さんも多いし、紅白の繭玉飾りが劇場内のあちこちにあり華やか。
正面の入口を入ったロビーには、凧や羽子板なども飾られて、正月気分を盛り上げてくれております。


夜の部の演目も、めでたい尽し。

『鶴亀千歳』は、中村富十郎さん、中村芝翫さんという人間国宝のお二人が尉(老翁、つまりお爺さんですよね)と姥(とすれば、お婆さんな訳です)となって踊る舞踊。
もう、このタイトルからして目出度気でしょ。
なんと、おふたりの登場の前には、松竹梅の三人も踊るという目出度さ加減。
富十郎さんの柔らかな踊りが、なかなかに可愛いい翁っぷり。

続く『連獅子』は、いわゆる歌舞伎といって思い浮かべる、あの毛を振り回す演出のある踊り、です。
筋書きによれば、今回、お二人の着物は幸四郎さんのお父さん(初代・白鸚)が作った着物だそうで、これがまた素敵。
クリーム色と紫掛かった藍色の地に扇の模様が、なんとも上品な色でうっとりでした。

そして最後は、歌舞伎十八番のひとつ「助六」。
これがとてもよかった。
花魁がずらりと並んだり、洒落たセリフがあったりと、もともと派手なお芝居なんですが、今回はこれまでに増して見どころ満点。
これまで、さしていい役とも思っていなかった脇役が、どれもなかなかに見せ所があって、二時間にも渡る長ーいお芝居を、飽きさせることなく見せてくれます。
あんまりにも見どころ満載で、前の二演目を忘れそうになるくらい(失礼!)。

セリフも聞き取りやすいし、歌舞伎らしい華やかさも大きさもあるし、そうかと思えばやわらかな芝居もあるし、笑いも満載で、とにかく初心者におすすめです。

ブログが長い、と周囲から不評なので(笑)、詳しくは下に。
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プロフィール
プロフィール
望月リサ。ライター。女性誌やWebサイトでインタビューやカルチャー関連の記事を担当。締め切り間際でも観たい舞台は絶対にハズさないステージフリーク! 「ライブじゃなきゃ味わえないこと、いっぱいあります。ハマるとこんなにすばらしいものはないです。劇場にもっともっと足を運びましょっ。」
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