昼も夜も芝居づけ

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亀梨和也・田中聖・薮宏太出演『DREAM BOYS』帝国劇場 [2008年03月27日(木)]
 
更新、遅くなりました。
観てきましたよ、ドリボ。
昨年秋の公演から、半年足らずでの再演ですからすごいです。
しかも、さらなるリニューアル。
いったいどこまで行ってしまうんでしょうか……。

しかし、本当に息をもつかせぬ展開の早さとド派手な演出の連続には、毎度のことながら感心させられます。
ある意味、一度完成した作品を、より面白いものに、って結構大変なこと。
だからこそ、「前回観たからもういいや」にならずにファンが劇場に押し寄せるんでしょうけれど、前回の焼き直しでも、ショー的な要素は充分というよりも盛りだくさんだったのに、今回はさらに、オープニングシーンのクラウン(道化)たちのシーンと、フライングシーンが増えていて、いやはや本当にお腹いっぱいなくらいサービス満点でありました。

ストーリーは明快。
幼馴染みのカズヤ(亀梨)、コウキ(田中)、ヤブ(薮)の3人は、マダム・ラン(鳳蘭)の主演する舞台にバックダンサーとして出演していた。
しかし、マダム・ランの怒りを買い、それが元で三人は違う道を歩み始める。
それから3年。
コウキは、ボクシングの世界でチャンピオンとなり、ヤブはミュージシャンとしてメジャーデビューの道を探っていた。
そんな時、ランの元で働くマコト(真琴つばさ)が、カズヤを主演にコウキの半生を描いた映画を企画する。
撮影は順調に進んでいるかに見えた矢先、中途半端なカズヤの態度にコウキの怒りが爆発し、撮影は中断せざるを得なくなる。
映画出演と引き換えにマコトに借金をしていたヤブは、必死にカズヤを説得し撮影を続けようとするが、コウキの怒りは収まらない。
撮影を続けるため、コウキが突き付けてきた要求は「ボクシングの試合で自分に勝ってみせること」。
多くのマスコミの注目を集めるなか、運命の試合のゴングが鳴った……。
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劇団四季『赤毛のアン』自由劇場 [2008年03月15日(土)]
 
今年、原作出版から100年なんだそうです。
勝手な思い込みかもしれないけれど、『赤毛のアン』って、なんとなく少女時代のバイブル的な作品じゃないかと思います。
不幸な生い立ちだけど明るくて前向きで、いつだって夢いっぱいでロマンティストで、ちょっと早とちりで、優しくて女のコらしくて賢くて、そんなアンは理想的な存在。

もし、少しでも赤毛のアンにハマった時期のある女性(もちろん男性でも、ですが)なら、ぜひともオススメしたいミュージカル。
なんといっても、曲がいいんです。

私が大好きなのは、孤児院からやってきたアンと、彼女(性格に言うと彼、のはずだった)を迎えに行ったマシューが、馬車でグリーンゲイブルズに向かうシーンで歌われる曲(ごめんなさいパンフを見ているのですが曲名がわからず)。
あのシーンって、とにかくアンの妄想癖が炸裂する、アンフリークには印象深いシーン。
歌詞は、空想すれば、なりたいものにすぐに何にでもなれるから私自身でいい、という内容。
ほんと、アンらしいすごくいい歌詞だと思いません?(←全国にいるアンフリークさんに向けて)
もう、ここから赤毛のアンの世界に引き込んでくれます。

このシーンに留まらず、アンが木苺のジュースだと思ってお酒をダイアナに飲ませちゃうシーンとか、マシューがパフスリーブの服を買いに行くシーンとか、赤毛を黒髪(カラスの濡れ羽色、ね)にしようとして緑色に染めてしまうシーンとか、短い時間のなかにちゃんと素敵なシーンが入っていて、本当によくできた作品。
しかも、アン役の吉沢梨絵さん、マシュー役の日下武史さん、マリラ役の木村不時子さん、とキャストも素晴らしく、あの世界観をしっかりと具象化してくれておりました。
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井ノ原快彦 & 長野博・主演『プロデューサーズ』東京国際フォーラム ホールC [2008年02月05日(火)]
 
ハチャメチャでノー天気でバカバカしくて、ノリノリの傑作ミュージカル。
とにかくこのミュージカル、大好きなんです。

いいミュージカルの一番の条件って、やっぱり“いい音楽”ですよね。
もちろん、そこに描かれているキャラクターを生き生きと見せることができて、かつ、曲を歌い奏でる役者も重要であることは確か。
演出だって、その作品のよさを見せる重要なファクターだし、美術セットも衣装も舞台を支えてくれる大切なものだし、それが物語の世界に引き込んでくれることも多い。
でも、やっぱりいいミュージカルを観たなーって時って、軽い高揚感に浮かされて曲がアタマの中をグルグル回っている状況で、そのミュージカルハイが気持ち良くて劇場に通っちゃうんだと思います。

まあ、そんな訳で、思わず口ずさんでしまうような軽快な音楽が満載の『プロデューサーズ』が、映画→舞台→映画と連鎖して大ヒットしたのも頷けるところ。
そこに、おバカ度ギリギリなゲイカップルや、どこか抜けてるナチ党の脚本家などなど、もう見ているだけで大爆笑のキャラクターたちが加わって、とにかくパワフルなんです。

そんな大ヒット作を、V6の井ノ原くんと長野くんが……
最初は、正直いって抵抗ありましたよ。
だって、プロデューサーズといったら太ったおじさんと色白の痩せ男のコンビ、というイメージなのに、二人ともスリムだし年齢だって二人とも若いし。
イメージと違う、と思ったこともあって初演は観てなかったんです。

でも、これが意外にもよかったんですよね。
もちろん、映画のネイサン・レインのような、見るからにうさん臭そうなマックスの雰囲気を井ノ原くんが出せるかといったらそれは無理。
でも、代わりにノリのいいお調子モノで、思い立ったら即実行の思慮の浅さと人当たりのよさで世の中を渡ってきた軽妙なマックス像が。
おばあちゃんたちに何だか妙に好かれてしまうのにも納得、できましたし。
なによりも、イノッチって本当に芸達者なんだな〜としみじみ感心させていただきました。
芝居も上手いし、驚いたのは歌も上手いんですよねー(知らなかったの?ってツッコミ来そうですけど)。
マックスが、牢獄でここに至るまでを回想するシーンがあるんですけれど、国際フォーラムのあの舞台のうえで、小さな牢獄のセットの中を縦横無尽に歌い踊り、笑わせてました。
あのときのマックスは、本当に本当に愛嬌たっぷりでかわいらしくて、ちょっとおバカで憎めない人物。
あのシーンは、ブロードウェイで観たときよりもおもしろかったな。なによりも日本語で見てるってのが大きかったのかも、だけど(笑)。
でも、たったひとりでもお客さんをノラせるのが上手なのは、さすがジャニーズ!
やっぱり、タダもんじゃありませんね。

一方の長野くんのレオは、不器用で融通が利かなそうな雰囲気は合ってました。
ひとつ難をいうなら、やっぱりイノッチに比べて迫力不足の感は否めないけど。
ただ、長野君のヘタレっぷり演技により、これまで観た『プロデューサーズ』のマンガっぽさより、もう少しリアルな物語に見えるという不思議な効果も。

出色は、といったら、藤木孝さん演じる演出家・ロジャーと、岡幸二郎さんの演じるその助手・カルメンというゲイカップルかな。
やりすぎなほどに、ふたりの演技がはじけていておもしろいのなんの。
カルメンは、ブロードウェイで観たときよりも間違いなくその存在感は光ってました。
ダンスも歌も抜群にうまくて、そのうえ笑わせる間が本当に上手!
ご本人もノリノリだったんじゃないかな〜? そんな空気が伝わってきました。

初演時に、取りざたされた彩輝なおさんのウーラも、今回初めて観たけれどよかったですよ。
キレイでチャーミングだけど、ちょっとおバカでノリがよくて純粋な、キュートなウーラは素敵でした。
なによりも、ビジュアルが美しい。細くて長い脚とか、白い肌とか、大きな瞳とか、遠目で見てもキレイ。

訳詞も思っていた以上に歌詞が音楽にのれていて、翻訳ミュージカル特有の違和感が少ないし、ぜひとも『プロデューサーズ』好きにも観て欲しいかな。
きっと、好きゆえに躊躇している方も多いと思うんですよね。
もちろん初見の方も。この作品のおもしろさは充分に伝わる出来映えだと思います。

東京公演は、2月17日(日)まで。
2月23日(土)〜28日(木)まで、大阪・シアターBRAVA!にて上演。
フジテレビのHP:http://wwwz.fujitv.co.jp/events/stage/producers/index.html

堂本光一 主演『Endless SHOCK』帝国劇場 [2008年01月26日(土)]
 
日本一チケットが取れない舞台ですが、運よく人から譲ってもらうことになり、行ってまいりました。
いや〜見所満載の満腹エンタテインメント。
舞台を見慣れていない人も、光一君ファンどころかジャニーズファンでなくとも充分に満足できる内容になっており、なかなかに楽しませていただきました。

↑これは、入場前の帝劇。この列! いつもの帝劇とは何だか雰囲気が違います。

とにかく凄いのが、目まぐるしいくらいに次々と飛び出すさまざまな仕掛け。
いまやすっかり恒例となっているフライングがもちろんあるのですが、これだけでも見応え抜群。
1本のロープを軸にクルクルと回るものがあれば、天井から釣られた布に腕を巻き付けてフライングするものあり、2階席に飛び込む演出あれば、天井から下がる4つのハシゴを飛び回る演出あり……etc
これ、全部やるんだから、堂本光一くんも大変だろうなぁ〜などと他人事のように感心しきり。

このほかにもド派手な殺陣シーン、迫力満点の階段落ち、『ブラスト』などに出演している石川直樹さんを迎えてのパーカッション合戦、歌舞伎さながらのぶっ返り(衣装が一瞬にして変わる演出のこと)。
スーパー歌舞伎に負けじと劣らないケレンの演出が盛りだくさんで、3時間25分(休憩30分込み)全然飽きることがないの。
ダンスもジャポネスク、スパニッシュ、タップにヒップホップ、いろんな要素が取り入れられていて、驚きを通り越して呆れるほどにサービス精神いっぱい。
スーパー歌舞伎でなければ、宝塚レビューの豪華版、という感じ。

ストーリーの中で、劇場オーナーのオオクラ(大倉忠義)が「あんな演出、こんな演出、とにかくお金がかかるんだよ」(←これ、かなりうろ覚え)とか言うセリフがあるのですが、まさにそうなんだろうなぁ。
セットも照明も演出効果も、惜しみなく使われているからね。
それもこれも、光一君のこの作品への強いこだわりがあるから、なんだとか。
ここまでやるには、多分さまざまなエンターテインメントを観て研究しているんだと思います。
純粋にすごいなぁ〜、と。
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鹿賀丈史・市村正親出演『ペテン師と詐欺師』日生劇場 [2008年01月15日(火)]
 
鹿賀さんと市村さんという、ミュージカル界を支えてきた大御所二人の顔合わせです。
じつは今回が再演になるんですが、前回見損ねてしまい、これが初観劇でした。
元ネタはといえば、もう15年くらい前になるんでしょうが(調べてみたら公開は1989年でした)、スティーブ・マーチンとマイケル・ケインの同名映画。
高校生の時に映画館で観て、軽快に展開していくストーリーとキャラクターの魅力に笑い、その後、中古でビデオまで買って持っていたりして。

そんなこんなの作品だけに、鹿賀さんと市村さんという絶妙なキャスティングに、初演時はうなったものです(笑)。


鹿賀さんは、マイケル・ケインのやった優雅な物腰でお金持ちを装い、有閑マダムたちからお金を騙しとる結婚詐欺師・ローレンス。
市村さんは、スティーブ・マーチンが演じた、口のうまさで人を騙して小銭をせしめるペテン師・フレディ。
軽妙で小粋でちょっと単純で、どこか可愛らしさのある二人は、鹿賀さんと市村さんのキャラクターにぴったり。
そんなふたりの丁々発止のやりとりを、このキャストが繰り広げるというだけで楽しめる舞台でした。

今回、ふたりの間に入って奮闘するクリスティン・コルゲート役はソニンさん。
じつは『スイニートッド』で観たソニンさんが、どうも苦手だったこともあり心配していたのですが、それがなかなかに好演。
ただ、おふたりとソニンさんの年齢が開き過ぎていて、LOVEの匂いがいまいち漂ってこないのが残念でしたが。彼女の持っている、肚の座った落ち着きっぷりと、同時に持っているキャピキャピ感とが役に上手に活かされていて、可愛らしいクリスティンだったと思います。

『RENT』ウェルシティ大阪厚生年金会館 芸術ホール [2007年12月24日(月)]
 
「We bigin on Christmas Eve」
このひと言で始まり、クリスマスイヴで終わるミュージカル『RENT』。
どうしてもどうしても、もう一度観たくて大阪出張(個人的に)。



初めてこの劇場に来たのですが、この芸術ホールがブロードウェイの劇場クラスのキャパシティで、『RENT』を観るには最高の環境でした。
多分、2階席からでもかなりステージが近く、しかも今回のキャストだけに、どの席からでも舞台と一体感が味わえるはず。

今回のキャストや舞台についての感想はこちらを見ていただくとして……
ここでは、大阪公演の雑記をば。

もうね、大阪の観客が熱いのなんのって……
キャストが舞台に登場した瞬間からもう会場が盛り上がりっぱなし。
エンジェルが女装で登場した時なんか、観客の拍手が納まるまでエンジェルが待ってたほど。
そんな客席の熱が伝わって、レントキャストたちの芝居も歌もHot Hot Hot。

カーテンコールでは観客の95%はスタンディング。
最近の何でもスタンディングオベーション、みたいな風潮にちょっと飽き飽きしてたけど、今回、本当に客席が熱いのでまったく気にならず、というか私も思わず立ち上がって拍手喝采(笑)。
今日がクリスマスイヴだということで、カーテンコールにはコリンズからのメッセージもありました。
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ブロードウェイミュージカル『RENT(レント)』国際フォーラムホールC [2007年12月17日(月)]
 
映画の公開で、ふたたび人気に火が付いた感のある『RENT』です。
もう初演から10年以上経っているんですよね。
日本版の初演(1998年、山本耕史&宇都宮隆などなど)からも、もう10年になる作品。
確かに、映画の影響も大きいのでしょうが、幕が開いてから10年も経つというのに、観客はいまだ熱い。
それはやっぱり、作品の力がものすごく大きいってことなんだと思います。

今回の来日公演は、『RENT』というミュージカルがなぜこんなにも熱くさせるのかがわかるようないい出来でした。
正直、昨年の来日公演があまりにあまり……で、今回、チケットを取るべきかどうか、悩んだんですよ。
でもねー。これが正解。というか、これまで観た来日公演のなかで最高の出来、でしたわ。

その理由のひとつめとしては演出。これです。
じつは前回の来日公演では、演出が大幅に改変されていて、そこに違和感を覚えたというのがあります。
とはいえ、これから先も続いてく作品になるでしょうから、オリジナル演出が絶対だ、とは言う気はないんです。
でも、今回改めて観て思うのは、オリジナル演出はいろんな意味で、作品の魅力を引き出していたということ。

『RENT』ファンブログじゃないので細かく言うのは避けますが、モーリーンのパフォーマンスで「MOO〜」と観客が声を上げるシーンや、『La vie Boheme』のテーブルでのダンスは、無条件でワクワクする場面。
エンジェルの葬儀のシーンで並んで歌う場面では、喪失感の大きさにグッときます。
まあ、オリジナル演出で観てしまったファンの、所詮はセンチメンタリズムなのかもしれませんが。

そしてもうひとつは、キャストのよさ、ですよね。
歌がうまい、芝居がうまい、っていうのはもう当然のことなんですが、キャラクターに合ったキャスティングって、やっぱりあるんだと思います。
今回は、それがぴたっとハマっていたかな、と(個人的にはコリンズの低音が響かないのだけが残念だけど)。
それぞれのキャラクターの魅力、弱さ、苦悩、才能、夢…そういったものを背負って演じていたキャストだったと思う。

主人公のマークは、じつはあまりソロのいい場面がない、ストーリーテラーというか狂言回し的な役割なのだけど、そのマークの仲間を見守る目線、彼の迷いに泣かされました。
ああ、こんな素晴らしいマークを観たのは、日本版の山本耕史さん以来かも。
ロジャーやミミ、エンジェルは、わかりやすい役だけに上手な人ってたくさんいると思うんですが、マークは出過ぎてもいけないし、とはいえ存在感がなくてもダメな役。
結構、難しい役なんだと思います。
今回、ジェド・レスニックさんという昨年の来日公演にも出演されていた方ですが、役作りを深くされたんだろうな、と。
もうひとつ特筆すべきは、ミミですか。『Good by Love』で、泣きながら歌うというあのシーンに泣かされてしまった。
ああ、こう書いたからってほかのキャストがどうこうではないんです。
とにかく、いいところを挙げていると際限なくなりそうなので、とくに気になったところだけ、ということ。それくらい、良かったんです。

あらためて今回思ったのは、本当にすばらしい曲ばかりのすばらしい作品だなーということ。
表面的なテーマは、HIVだとかドラッグだとか、現代のアメリカのうんぬんみたいなことだけれど、本質にあるのは「人はどう生きるべきか」という普遍的なもの。
『No Day but Today』という歌詞がありますが、「今日を生きる」ことの尊さを教えてくれる作品。

毎日は今日の積み重ねなんですよね。
明日、後悔しない生き方を今日出来ているのか。
明日は、明日こそは、って思って後回しにしている明日も今日だってこと。
考えさせられますね。

ああ、本当に作品の魅力はまだまだ古びていないな、と実感。
客席の熱さがキャストに伝わって、演じる側も熱くなっていたように思います。
この熱気、このパッションが大阪公演まで続くことを願っております。
というか、かなり大阪公演にも行く気満々。それくらい久々に熱くなった『RENT』です。

東京公演は、12月19日(水)までで終了。
大阪公演は、12月22日(土)〜25日(火)まで、大阪厚生年金会館にて。
(ちなみに“始まりはクリスマスイブ”なので、クリスマス時期に観られるのも最高!)
キョードー東京のHP:http://www.kyodotokyo.com/detail_a.cfm?ppk=k017z0701

天海祐希・主演 宮本亜門・演出『テイクフライト』国際フォーラム・ホールC [2007年12月05日(水)]
 
これ、亜門さんがNYで演出してトニー賞候補にもなったミュージカル『太平洋序曲』の脚本家(ジョン・ワイドマン)と、『ビッグ』の作曲家(デヴィッド・シャイヤ)、『ミスサイゴン』の作詩家のひとり(リチャード・モルトビーJr.)というすごい顔ぶれが作ったミュージカル。
しかも今回、日本とロンドンで同時に世界初演という、言ってみれば世界中が注目するミュージカル、な訳です。
しかも、これが天海祐希さんと宮本亜門さんの初顔合わせ。
元宝塚のトップスター(しかもかなり人気を博した)と、世界的に活躍する演出家の組み合わせですから、期待しないわけにはいかないでしょう。

物語はといえば、世界で初めて女性パイロットとして大西洋横断に成功した英国人、アメリア・エアハート(天海祐希)を中心に、グライダーを発明し、その後の航空工学に多大な影響を与えたオットー・リリエンタール(ラサール石井)、人類初の有人飛行に成功したライト兄弟(池田成志、橋本じゅん)、飛行家として数々の偉業を成し遂げて人気を集めたチャールズ・リンドバーグ(城田優)ら、飛ぶことに自らの人生と命を捧げた人々の姿を描いたもの。

それぞれの生きた時代は、微妙にずれてはいるけれど、空に飛ぶことを夢に見て、さまざまな苦難を乗り越えながら、それぞれが自らの挑戦へと立ち向かっていく姿を、同時進行で描いておりました。
いまでこそ、飛行機で海外旅行なんて気軽なものだけど、この当時は“飛ぶ”ということがそれだけ特別なことだし、大変なことだったんだな〜としみじみ。
夢を実現させること、夢を追い続けることって、たとえ途中で死ぬことになっても幸せな人生なんだろうな。
そんなことを考えさせてくれる作品ではありました。

しかし…う〜ん、私、バカなんでしょうか。
リンドバーグがどれだけ長く飛ぶかを考えている一方で、航空理論を懸命に検証しようとしているライト兄弟がいることがどうしても理解できず、開始から30分くらい「……」状態でした(恥)。
それと、それぞれに光を当てようとしているために、時々物語が主人公であるアメリアから離れていってしまい、アメリアにいまいち感情移入して観られなかったのが残念でなりません。

ただね、やっぱり役者さんが豪華なんですよ。
アメリアの最後のフライトの副操縦士が小市慢太郎さん、アメリアの夫が宮川浩さん、そのアシスタントが坂元健児さん、リンドバーグの飛行機の設計士が今拓哉さんと、いずれも、主役もはれるメンツが、贅沢に使われております。
皆さん達者な人ゆえに、思わず「もっと観たい」と思ってしまう場面もあちこち。
お芝居って、ついつい主役に目が向きがちだけど、脇がいいと作品がしまるんですよね。

個人的には、城田優くんを好評価。あの長身が舞台映えして、とてもかっこよかった。
しかも、芝居も歌もお上手で、天海さんをはじめとするベテラン勢に負けない華を見せてくれておりました。
もちろん、池田成志さん&橋本じゅんさんコンビにも笑わせてもらったシーン多々。
ミュージカルってことで、セリフがすべて曲にのっているところが惜しいくらい(笑)。
もっとガッツり、2人の丁々発止のやりとりを見せて欲しかったなぁ。

ミュージカルが観たい、という人には物足りない部分もありますが、この豪華な配役を堪能するならぜひ。
まぁ、今回が世界初演ということで、途中ダレる場所もあったのはご愛嬌、ということで、今後、ブロードウェイ上演に向けて、改良が加えられることを期待しております。

東京公演は、12月9日(日)まで。
12月14日(金)〜16日(日)北九州芸術劇場、12月19日(水)〜21日(金)中日劇場、1月3日(木)〜5日(土)梅田芸術劇場にて上演。
PARCOのHP:http://www.parco-play.com/web/play/take/

西川貴教(TM Revolution)主演『ハウ・トゥー・サクシード』芸術劇場中ホール [2007年11月21日(水)]
 
今年の春に上演されたミュージカルが、早々と再演です。
初演では見逃していたのですが、こんなに早いタイミングで再演=評判がよかったのでは?との思いから足を運んでみた次第。

この「ハウ・トゥー・サクシード」は、もう何十年も前に作られたミュージカルで、なぜいまこのタイミングで再演?と少し疑問を感じないでもない、感じ。
正直、こういういかにも“企画モノ”っぽい作品、どうかなーとちょっと半信半疑だった私。
でも、これはこれ、それはそれ、として、なかなか楽しい作品でした。



ビルの窓清掃を仕事にするフィンチ(西川貴教)が、ある日、『努力しないで出世する方法』というメルマガを購読する。
そしてそのメルマガにしたがい、大手企業『ワールド・ワイド・ウィキッド社』に狙いを定め、上司に上手に取り入り、持ち前の調子よさでまたたく間に出世してゆく。
しかし、そんな彼の存在に危機感を抱いた同僚たちのやっかみが始まり……。

昔、マイケル・J・フォックス主演、ハーバート・ロス監督の『摩天楼はバラ色に』という映画があったんですが、それを思い出しちゃいました。
映画のように、おじさんが社長でもないし、重役とメールボーイの2重生活ではないけれど、持ち前の才覚とちょっとした小狡さでどんどん認められていく様子は、彷彿とさせるものがありました。
もしかしたらあの映画、『ハウトゥー〜』をネタ元にしていたのかも、といまさら思ったりして。

まあ、そんな話はどうでもいい。西川貴教さん、なのである。
芝居できるんだなーというのが最初の感想。歌がうまいのは当たり前だけれど、自身の楽曲だけじゃなく、ちゃんとこういう歌もこなせるし、結構器用な方なのですねぇ。
とくにコミカルな場面での抜けっぷりは、ミュージシャンが芝居やりました、ではない手慣れた感じ。
テンションを上手に上げて、ライトなノリのこの作品の波をうまく乗りこなしている、といったらいいんでしょうかね。
口のうまさと調子のよさで、どんどん出世していくフィンチの軽妙な感じ、全体的にマンガっぽい物語の雰囲気がよく出ておりました。
過去にはこの作品を坂本九さんや、高嶋政伸さんなんかが演じていたとのこと。なるほど。

全体的に破綻のないミュージカル。脇もみんな上手だし。
ただ、終始おもしろいに留まってしまうのが残念。
フィンチの正体が会社にばれてピンチに陥ってからの展開がもう少し硬質な作りになっていると、ぐっと引き締まったのでは、と思ってみたり。

ま、軽い気持ちで楽しい気分になりたい人にはオススメです。
難しいこと考えずに、楽な気持ちで笑ったり音楽に身を委ねたり、喜怒哀楽のフリ幅が大きい登場人物たちに振り回されてみるのもいいのかも。

公演は、12月2日(日)まで、池袋芸術劇場にて上演。
オフィシャルHP:http://www.fujitv.co.jp/events/h2s/index3.html

東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』博多座 [2007年10月26日(金)]
 
行ってしまいました、福岡・博多座。

今年は私の中で空前の『レ・ミゼラブル』イヤー。
なんといっても、橋本さとしさんという新しいバルジャンに出合えたことで、改めてこの作品のよさ、音楽のよさ、セリフのよさ、内容の奥深さに気付いた次第。
なんというか、これまでは知ってる曲、知ってる物語、知っているセリフを、舞台を観ながら自分でさらっちゃっていた感じ。
それが、今回は新しい気持ちで作品に迎えて、本当にいい20周年になりました。

そんなわけで、すでに帝劇では終了してしまったのにも関わらず、なんだかまだ終われていない気持ちがあって、ついついふらふらと博多を目指してしまいました。

もうひとつ博多にいった理由としては、今回の20周年を記念してのスペシャルキャストの日のチケットが取れたこと。
とはいえ、自力じゃなく他力本願でした、が。

バルジャンに今井清隆さん、ジャベールが鹿賀丈史さん、エポニーヌが島田歌穂さん、ファンテーヌが岩崎宏美さん、マリウスが石川禅さん、アンジョルラスが岡幸二郎さん、テナルディエが斎藤晴彦さん。
いやー、どの方も“当たり役”といわれている人ばかり。
このキャストを聞いただけでもテンションが上がります。

そんなわけで博多座で観た『レ・ミゼラブル』は、ひとこと「最高に素晴らしかった!」
これは人からの受け売りなのですが、博多座って音響の設備がよくて、マイクを通していても生声のような自然さで観客に届くのだそうです。
(帝劇だと、歌っているキャストの方が自分の声が聞こえずに歌う、ということもあるんだそうな)
それゆえにか、本当にどの方も歌声が美しく、心に直接響いてくるような感じ(いいすぎ?)。
もう、美声に酔いしれる場面が多々ありました。
あまりに素晴らしい箇所がいろいろあり過ぎるので、カンタンに。

一番印象的だったのは、岩崎宏美さんのファンテーヌ。
とにかく儚げなのに、音がしっかりと取れていることもあって、彼女の強さと脆さが両方滲み出ていました。
しかも、死の直前の病院での場面。娘・コゼットに対する母の愛、優しいだけじゃない深みのある声が、一層彼女の気持ちを感じさせてくれて、ただただ涙。

そして、岡さんのアンジョルラス。
長身ですらっとしたスタイルのよさもあるのでしょうけれど、アンジョルラスが学生達から慕われるのは、彼の持つカリスマ性にあるのかな、と。
バリケードのシーンで、市民が援軍に来ないことを知ったアンジョの「死のう」と決意をするシーン。
なんだかね、信念のために命を懸けるという行為に酔っているというか、自らの命をもって抗議することに正義を見ている、というか、そんな彼のカタルシスを感じてまたもや涙。

石川禅さんのマリウスは、コゼットのシーンがちょっとやり過ぎ?っていうくらい、何度も振り返ったり、浮かれたりして、そこは正直「うーん、どうかな?」でしたが、エポニーヌを胸に抱きながら彼女が息絶えるシーンの、マリウスの後悔、懺悔、やりきれなさが伝わって、またもやここでも涙。

とまあ、涙なくしては観られない素晴らしい舞台でした。
カーテンコールが何度も何度もあり、出演者の方々がお疲れ気味なのは申し訳ない気持ちになってしまいましたが。
感動し過ぎて拍手に熱が入ってしまい、幕が閉まった後も拍手し続けてしまう気持ちはわかるんですけどね。

残念ながら博多座での舞台の終了とともに、2007年のレミゼに幕を閉じ、次の上演は再来年かまたその先かわかりませんが、まだまだ楽しめる作品だということは再認識したので、次の再々再々再々再々(ってもうわかんないや)演も楽しみにしております。
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プロフィール
プロフィール
望月リサ。ライター。女性誌やWebサイトでインタビューやカルチャー関連の記事を担当。締め切り間際でも観たい舞台は絶対にハズさないステージフリーク! 「ライブじゃなきゃ味わえないこと、いっぱいあります。ハマるとこんなにすばらしいものはないです。劇場にもっともっと足を運びましょっ。」
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